職人型内容証明仕掛人の方法論 ! 第132号
平成28年6月14日発行
職人型内容証明仕掛人が一発解決目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。
今回の目次
□ ぼったくり店の不正請求から守ってくれる判例
ぼったくり事案に関する東京地裁平成27年8月10日判決は、クレジットカード会社に
対し支払停止の抗弁事由として使えますので、以下に整理して書きます。
<事案>
「 被告Aは1時間4000円でキャバクラに入ってから店内で眠ってしまい翌朝の精算の
際にレジットカードを渡した。 その後、代金が100万円だと知ったAはクレジット
カードを取り返した。 Aは従業員と話し合った結果、代金を5万円とすることで
合意し、5万円を支払って店を出た。
しかし、クレジットカード会社からは78万円の請求が後になって届いた。
Aがクレジットードを渡していた間に、従業員がカード決済していた為である。
Aが支払を拒否しているとクレジットカード会社が提訴した。 」
クレジットカード規約には、「盗難、詐取、横領又は紛失に係るクレジットカードが
第三者により不正使用された場合における利用代金の支払いについても会員本人の
責任とした上で、一定の要件の下で会員の損害をクレジットカード会社が補填する」と
規定されていました。
そこで、上記判決では「列挙された事由は例示的なものであって、それ以外の
態様により会員の正当な意思によることなく占有が移転されるなどしたクレジットカ
ードが不正使用された場合についても、当該規定が適用される」とし、
「当初の請求は意図的な過大請求であり、そのような請求が行われることを認識せ
ずにクレジットカードを交付したことは、被告の正当な意思によらない占有移転で
あり、店舗従業員が過大請求額に基づく利用があったとする手続きをとったことは
不正請求にあたるから、上記規約の適用があり、被告の立替金の支払いは免責
される」と判示したのです。
今では、キャバクラ店でもカード決済の端末を導入しており、クレジットカードを
渡してしまえば本人の署名も要らず簡単にカード決済が終了してしまいます。
そして、1ヶ月以降にクレジットカード会社から請求明細が届きます。
請求明細を見て不正請求があると分かったら、クレジットカード会社に対して内容
証明郵便により不正請求を支払停止の抗弁事由とする旨の通知をし、かつ引落口座
の残高をゼロにする又は本クレジットカードの口座振替依頼を解約して万全を期すこと
が必要です。
また、クレジットの支払方法が1回払いになっていたらリボ払いへの変更も必要です。
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