内容証明郵便でブレイク !  第49号
              平成19年5月24日発行       

              今回の目次
        □ 表見代理とリース契約
        □ 消費者契約法の判例・・・パチスロ攻略法に関する判例



   □ 表見代理とリース契約

 表見代理というのは、民法を一度勉強した人なら懐かしさを覚える言葉です。
非常に民法が面白く感じるところでもあります。
ただ、実際の実務で表見代理を使うということは余りないと思います。

 近時では、リース契約に表見代理を使った判例が現れています。
今後は、この判例理論をどしどし内容証明郵便に使っていいと思います。

 実は、販売店に不実の告知、詐欺などがあっても、リース契約では
リース会社に支払い停止の抗弁が出来ませんでした。
しかし、この判例では実質的に支払い停止の抗弁を認めたと同じ効果がある
という意味で、画期的な判決なのです。
                   ж

 では、リース契約での表見代理はどんな理屈で認められたのでしょうか・・・・。
長崎簡易裁判所平成17年12月2日判決の内容を検討して見ます。

 要するに、リース契約について、申込の勧誘、契約内容の説明、契約書の作成、
リース物件借受書の作成及び授受等を全て販売店が行っていた場合、
リース会社と販売店は一体性、業務提携関係があると考えられ、
また 最終的意思決定以外の全ての行為については、事実行為について代理
することを許容していたと解するのが相当だとしたのです。

 こんな関係にある販売店が嘘を付いて契約させられた消費者は、
表見法理により契約の取消をリース会社に主張出来ることになります。
 つまり、第三者の詐欺ではないことになるからです。

 民法の根拠条文は、第110条です。つまり、代理権踰越による表見代理です。
この表見代理は基本的代理権がある場合ですが、販売店にリース契約に関する
事実行為については基本的代理権があるとしたのです。
                   ж

 リース会社としては、販売店との業務提携関係を否定するでしようが、
この判例にある通り、リース会社は意思決定以外の全ての事実行為を販売店に
委託している実態がある以上、裁判ではもはや通らなくなったのです。
          参照 → リース契約とは何か?


   □ 消費者契約法の判例・・・パチスロ攻略法に関する判例

 消費者契約法の判例はまだ多くありません。
最近、注目すべきパチスロ攻略法に適用する判例が出ました。
ギャンブル性のある遊技の攻略情報の売買契約に、
消費者契約法は適用になるのか疑う人もいたことも事実です。

 しかし、判例では断定的判断の提供の他に不法行為を認めていました。
業者は攻略情報が虚偽であると知って販売し、消費者は虚偽であるとは知らずに
買ったのである以上、消費者契約法の保護に値するとしたのである。
 
   参考 → 判例解説

 攻略法で騙された人は、これで契約の取消しと代金の返還請求を
堂々と出来ることになったのです。


  ※ ご感想・ご意見をお寄せ下さい。
      →メールアドレス
::redume@jcom.home.ne.jp




    発行者  :  行政書士 田中 明 事務所
  〒239-0822  神奈川県横須賀市浦賀町5丁目50番地211    
                   TEL・FAX   046-843-6976
    マガジン説明用Webページ : http://lantana.parfe.jp/break1.html
     内容証明郵便でブレイク! : http://lantana.parfe.jp/   
    インターネット法務支援室  : http://lantana.parfe.jp/seotope.html
-------------------------------------------------------------------
  このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行
 しています。解除は http://www.mag2.com/m/0000113282.htm