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  ブラックリストとは何か?

  法律の条文のどこにもブラックリストという言葉は見付かりません。  個人信用情報機関に
聞くと、「事故情報(別名で異動事故、延滞情報とも呼ぶ)の登録はあってもブラックリストのよう
な名簿が存在するわけではない」と言います。
  つまり、事故情報が登録されることを分かり易くブラックリストに載ると呼んでいるだけなのです。

<個人信用情報機関とは>
  平成21年12月1日施行の改正割賦販売法でクレジット会社に対し指定信用情報機関を
 利用した支払能力調査が義務化されたに伴い、指定信用情報機関制度が創設され過剰
 与信や過量販売の防止が図られています。
  主務大臣の指定を受けた指定信用情報機関には、以下のものがあります。

<指定信用情報機関>   
 イ 株式会社シー・アイ・シー( CIC ) ・・・・・・・・・クレジット会社・信販会社・リース会社
 ロ 株式会社日本信用情報機構( JICC )・・・・・・消費者金融会社
      ※ 平成22年3月にCCBと統合した。  
 ハ 全国銀行個人信用情報センター( KSC )・・・・銀行、信用保証協会、銀行系クレジット会社
      ※ 全銀連が運営している。                              
      ※ イ、ロ、ハは、相互に事故情報を交流しています。
         この情報交流のシステムを、
クリン(CRIN)と言います。
<個人信用情報の中身とは>
 消費者の同意を得て以下の大きく分けて6つの情報が登録されています。
   イ 申込情報・・・・・・・・加盟会員が新規申込時に照会した事実の記録
                 保有期間は照会日から最低6ヶ月間
   ロ クレジット情報・・・・加盟会員が締結した契約内容や支払状況の記録
                 支払状況の中には延滞などの異動(事故情報)が含まれる。
                 保有期間は取引終了後最低5年間(事故情報は除く)
   ハ 利用情報・・・・・・・・加盟会員が利用途上の支払状況を照会した事実の記録
                 保有期間は照会日から最低6ヶ月間
   ニ 電話帳掲載情報・・氏名、電話番号、記録年月等
   ホ 本人申告情報・・・・氏名や生年月日など本人を識別するための情報
                 申告したコメント等、  保有期間は5年以内
   へ 貸金業協会依頼情報・・・・貸付自粛など本人が依頼した内容


<事故情報の中身とは>
 1 延滞 (3ヶ月連続して支払期日までに支払いがなかった状態)
    
 ※ 支払期日を過ぎると遅延損害金が加算されます。 3ヶ月連続して遅延損害金を
       加算された金額を支払っていると、つまり、3ヶ月連続して期日に
遅れて支払っていた
       場合も、「延滞」の扱いとされる(ブラックになる)ことがありますので注意が必要です。

     ※ 一括入金により延滞が解消された場合であっても、延滞登録は直ちに消えません。
 2 任意整理(弁護士仲介の和解)、民事再生
    破産開始・免責決定
(KSCのみ登録)

   1が最も基本的な事故情報です。 → クリンにより情報が相互交流されます。
  延滞が発生すれば既存のカード利用契約は解約され、クレジットや銀行ローンの新規
  申込は審査段階で撥ねられてしまいます。
   なお、CICとJICCでは自己破産の記録は登録されませんが、自己破産の人がカード利
  用を制限されるのは
延滞が発生しているからです。

   CICでは延滞情報を契約期間中及び取引終了後から5年間載せ、JICCでは延滞情報
  を延滞が継続する期間載せます。  
   また、延滞を入金で解消した場合は、JICCでは1年間、CICでは5年間が経過した時に
  延滞登録を抹消します。
   なお、債務者から時効援用があり債権が消滅した場合、JICCは直ちに登録を抹消しま
  すが、CICは5年間経過した時に延滞登録を抹消します。
   KSCは延滞情報を延滞発生時から5年間、不渡情報は5年間、破産・民事再生手続開
  始決定等は10年間載せた後に抹消します。


   2については、既存カードは解約されますがクリンによる情報交流には載りません。


<過払金返還請求、支払い停止の抗弁と個人信用情報との関係>
  平成22年1月14日付で金融庁は過払金返還請求と個人の支払能力との間に関係性がない
 として延滞として載せない方針を打ち出しています。
  また、支払い停止の抗弁については、割賦販売法第35条の3の56第1項4号に基づく経済
 産業省令においてクレジット会社等に情報の提供が義務付けられていません。

   従って、消費者が正当な理由で支払い停止の抗弁や既払金の返還請求を行ったことのみ
 をもって延滞登録をすることは、過剰規制に繋がる恐れがあり違法であると考えます。
   参照→ 
経済産業省平成14年5月15日付通達で「あっせん業者は十分な調査を行うこと
        なく、請求を継続したり、個人信用情報機関への事故情報の登録を行なってはな
        らない」と通告しています。
    
                  
  事故情報が事実に反する場合(支払い停止の抗弁に正当な理由がある場合を含む)には、
 誤情報を登録して当人の信用を害した又はその危険を発生させたとして、誤情報を登録した
 加入会社は損害賠償請求される可能性があります。
  なお、支払い停止の抗弁に関しクレジット会社と平行線を辿っている場合などには、本人は
 指定信用情報機関に申告して「協議中」などのコメントを付加して貰うことが出来ます。


<時効援用の資料としての個人信用情報>
  ローンやクレジット債権は最終入金日から5年で時効です。
 手元に契約書など資料がない
 という人は個人信用情報を取り寄せればいいのです。
  
  指定信用情報機関など個人情報取扱事業者には本人から請求があった場合、遅滞なく情報
 を開示する義務があります(個人情報保護法第25条)。
  これを見ると最終入金日とか残元本など債務の内容が分かりますから、これがあれば時効
 援用の内容証明郵便を作成出来るのです。   
  債権は時効援用がされない限り消滅せず遅延損害金が増え続けていきます。


  消費者金融であれば(JICC)、時効援用を内容証明郵便で通知すれば、延滞登録が
 抹消されてブラックでなくなるのです。

  なお、信販・クレジットの場合(CIC)は、時効援用することで債権が消滅し請求されることは
 なくなりますが、延滞登録はなおも5年間消えないことになります。

<デビットカードについて>
  デビットカードというのは、VISAと提携している銀行キャッシュカード(VISAデビットカードとも云う)
 のことでクレジットカードではありませんから、たとえブラックの人でも銀行口座の残高の範囲内で
 カードでの買物が来ます。

<事故情報に関し事実に反するなど不服がある場合について>
  個人情報取扱事業者には、本人から内容が事実でないという理由で訂正、追加又は削除を
 求められた場合には、遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき内容の訂正を行う義務が
 あります(個人情報保護法第26条)。

                                     最終更新日 平成31年9月1日

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