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こうやって支払停止の抗弁をせよ!
「オフアス取引」とは何か
ひと昔前までクレジットカード取引に係るビジネスモデルは、クレジットカード発行会社(クレジット
会社、イシュアーともいう)が販売店を開拓して加盟店契約を締結し加盟店管理を行う「オンア
ス取引」が殆どでした。
「オンアス取引」とは要するに、与信業務(申込者の支払能力の審査、包括クレジット契約の締
結、クレジットカードの発行)、加盟店管理業務(加盟店の開拓、加盟店の調査、立替金の支払い、
加盟店の指導)、顧客管理業務(クレジット代金の請求、延滞者への督促、クレジット代金の回収、
クレーム対応)を、一つのクレジット会社で全て行う取引のことです。
しかし、今では、与信業務を行わず(クレジットカードを発行しない)加盟店管理業務のみに特化し
た(アクワイアラーという)や、決済代行と立替金の支払いのみに特化した決済代行会社(PSP
ともいう。 Payment Service Providerの略)が参入するビジネスモデルが一般化しています。
これを「オフアス取引」と云います。
もう少し「オフアス取引」を整理します。
アクワイアラーは、イシュアーと提携契約を締結して加盟店の開拓を行い、加盟店で発生した
クレジット代金を加盟店に立替払いして、イシュアーにはその立替金を請求します。
決裁代行会社は、アクワイアラーと加盟店契約を結びイシュアーやアクワイアラーの加盟店になっ
ていない中小零細の飲食店などを自社の枝番に組入れ、スマホでのカード決済システムを販売店に
廉価な費用で提供(販売店の決済業務を代行して行うので決済代行と云う)して、販売店で発生した
クレジット代金を立替払いして、その立替金をアクワイアラーに請求します。
アクワイアラーはその立替金をイシュアーに請求することになります。
アクワイアラーや決済代行会社の参入が許されたのは、イシュアーが動かなくてもこれらの会社
が自社クレジットカードの利用できる裾野を居ながらに広げてくれ売上アップが得られるからです。
さて、顧客のクレジット代金を最終的に立替えるのはイシュアーであり、クレジット代金の支払い請
求もイシュアー名義でなされますから、カード決済の無効や支払停止の抗弁を通知する相手はイシュ
アーになります。
しかし、イシュアーと加盟店契約を締結していない販売店(つまり、アクワイアラーの加盟店や決
済代行会社の枝番になっている販売店)には、悪徳業者が入り込む余地があり、実際にクレジットト
ラブルは悪徳な訪問販売業者によるカード決済の場合が圧倒的に多いのです。
アクワイアラーの加盟店や決済代行会社の枝番になっている販売店でクレジットトラブルが起こっ
た場合、イシュアーの対応が積極的でなかったり、決済代行会社が割賦販売法で全くカバーされて
いないなど消費者保護の脆弱性が前々から指摘されていたのです。
そこで、割賦販売法を改正して「オフアス取引」もカバー出来るようにしたのです。
改正割賦販売法で追加された事項は、以下です。
1 クレジットカード番号等取扱契約締結事業者は登録を義務付けられ、当該契約を締結した
販売業者に対する調査、当該調査結果に基づく必要な措置(改善指導、加盟店契約の締結
拒否、加盟店契約の解除など)を行うこと等の義務付けがなされました。
(割賦販売法第35条の17の2~第35条の17の14)
「クレジットカード番号等取扱契約締結事業者」には、以下が該当します。
イシュアー、アクワイアラー、PSP
マンスリーカード(契約から2ヶ月以内の1回払い)のみを発行するクレジット会社
マンスリーカードのみを対象に決裁代行事業を営む者
2 加盟店にクレジットカード番号等のセキュリティ対策に係る義務が課されました。
クレジットカード番号等の適切な管理義務 (割賦販売法第35条の16)
クレジットカード番号等の不正な利用を防止するために必要な措置を講じる義務
(割賦販売法第35条の17の15)
必要な措置については政省令において明確化されています。 しかし、内容は専門的
であり、クレジットカード利用者には直接的影響がありませんので説明を省きます。
★ 抗弁の通知は、内容証明郵便で ★
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行政書士 田中 明事務所