職人型内容証明仕掛人の方法論 !  第156号
                   令和元年12月12日発行
        職人型内容証明仕掛人が一発解決を目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。

                     今回の目次
               □
 リボ払いは隠れサラ金


  商品をクレジットカード決裁で購入した場合(ショッピングという)、クレジットカードで
融資を受けた場合(キャッシングという)、銀行カードローンを利用した場合、支払方法には
次の3つがあります。

  イ 一括払い・・・・2ヶ月以内又はボーナス月に一括して支払う。 手数料(金利)は不要。
  ロ 分割払い・・・・代金に手数料(金利)を付加したクレジット支払総額を分割回数に応じ
             て分割した金額を、毎月支払う。  
  ハ リボ払い・・・・先に指定した毎月の一定の返済額を、残元本がゼロになるまで
             支払う。 毎月の返済額は、手数料(金利)にまず充当される。
              ショッピングでもキャッシングでも銀行カードローンでもリボ払いが
             多くなっている。

  さて、最近、リボ地獄という言葉を耳にします。 なぜそんなことになるのかを書きます。

  リボ払いは毎月の返済額を低く抑えられるというメリットがあります。

  しかし、その一方で毎月の返済額が少ないと毎月の返済額の多くが手数料(金利)の支払
いに吸収されてしまい、元本への充当が少ないので残元本が中々減らないのです。

 残元本が中々減らないのに更にリボで追加購入又は追加キャッシングを増やすと、残
元本が膨らみ返済期間が延々と長くなって行きます。

  終いには残元本が返済困難な金額にまで膨らんで債務整理の対象になる場合もあり
ます。

  このような結果になるのは、リボ払いが実質的にサラ金と変わりないからです。
 
  まず、手数料(金利)がショッピングで年15%、キャッシングでは年18%も掛ります。  
これは消費者金融(サラ金)の金利と殆ど同じです。


 具体例で説明します。

(例) ショッピングの代金30万円を年15%のリボ払いで、毎月の返済額が1万円の場合
    
   1ヶ月後・・・・掛かる手数料(金利)は30万円×0.15=45000円×0.12=3750円
  
     元本への充当は、1万円から手数料(金利)3750円を控除した額になります  
     10000円 -3750円=6250円    
     300000円-6250円=297500円・・・・残元本

   2ヶ月後・・・・掛かる手数料(金利)は297500円×0.15×0.12=3718円
     10000円 -3718円=6282円
     397500円-6282円=291218円・・・・残元本
                 ・
                 ・
                 ・
  結局、残元本がゼロになるまでに支払うリボ払手数料(金利)は、58000円にもなり
ます。  つまり、30万円の商品を19.33%増の358000円で買ったのと同じことになります。

 上の例の通り、30万円を借りて2ヶ月間で2万円返済しても元本には8782円しか充当され
ていません。

  ここがリボの怖いところで、サラ金で30万円借りて毎月1万円づつ返済して行くのと実質
的に何ら変わりません。
 
  リボ払いでは毎月の支払いは、口座からの自動引落です。
これがサラ金より悪い状況を生んでいるのです。

  どういうことかといいますと、サラ金の場合、毎月の支払いはATMでの返済であり、返済
の度に貸金規制法に基づく支払明細書が交付されます。

  つまり、支払明細書には金利及び残元本へ充当額が記載されており、今現在の残元本を
返済の度に把握出来るようになっているのです。


  勿論、クレジットカードによるショッピングとキャッシングの場合もカード会社から毎月カード
利用明細書が届き、それでそれぞれの残元本が分かるようにはなっています。

  しかし、何社かのカードを利用した場合、各カード利用明細書の残元本の合計が総残高に
なります。

  返済困難な程に金額が知らぬ内に膨らむのは、カード利用明細書を見ていない人に多い
のではないか。

  サラ金による自己破産者の場合、高金利であると知りながら止むにやまれずサラ金を利用
するしかなかったという側面があったと思います。

  それに対して、リボ払いの場合、サラ金の金利と同程度であるという認識がなく、毎月の
支払額が低い為に残元本がいつまでも減らないという認識も薄く、ひたすら消費という享楽の
罠に嵌っているように見えるのです。


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