内容証明郵便でブレイク !  第52号
              平成19年11月9日発行             

              今回の目次
        □ 任意売却って何?
        □ 割賦販売法改正に追い風



    □ 任意売却って何?

 またまた連帯保証契約の杜撰な現場を垣間見てしまいました。
サービサーから通知があるまで連帯保証人にされていることも知らなかったという。
早速契約書を取り寄せて見たところ、署名の筆跡は違っているし、
作成日付の当時は既に債務者の会社を退職しており、
そんな頃に依頼されても連帯保証人になるはずもないという代物でした。

 それよりずっと前に印鑑を預けことがあるというから、
その印鑑を使用して偽造したのでしょう。
こんな契約書の存在も11年も経った今に至って、やっと知ったのです。

 サービサーというのは、バルクセールと言って金融機関から不良債権を束にして
買いますから、その中にはこんなデタラメな債権も混じっているのです。
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 さて、厄介なのは自宅に設定された第三順位の根抵当権です。
第三順位ですから第一順位と第二順位に弁済して余剰が出ない限り競売は無理です。
とはいっても、債権が無効なのに根抵当権が張り付いたままというのは
気持ちの悪いものです。

 抹消するには、債権者の解除証書と委任状が必要です。
内容証明郵便で連帯保証契約の無効を主張しましたが、
根抵当権抹消までにはまだまだ茨の道が続きそうです。
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 さて、任意売却は最近よく耳にする言葉です。
これは競売になる前に、債務者が抵当不動産を売却してその代金を債権者への
返済に充て、同時に抵当権を抹消して貰うというものです。

 任意売却の方が競売より価格が高いので、債権者とってもメリットがあります。
そして、大抵はその後も債務が残りますが、債務者に支払能力はないのが普通です。
そこで、債権者はその無担保債権をサービサーに譲渡することになります。
金融機関は売却損を直接償却出来るので、節税というメリットがあります。

 サービサーは当然請求して来ますが、残債務の5%程度の値段で買っています。
後は粘り強く交渉して5%+アルファで買い戻すというのが落としどころのようです。

 
   □ 割賦販売法改正に追い風

 今、国会はガタガタしていますが、割賦販売法改正の動きに影響はないはずです。
争点のひとつは、売買契約とクレジット契約の別契約性の問題のようです。

 これまでの判例は、一部の例外を除き別契約とする立場を取っていましたので、
既払いクレジット代金の返還は認めていませんでした。

 しかし、加盟店とクレジット会社は一体的な提携関係にあり、しかも現実には
クレジット契約の締結代行を加盟店に委ねているのです。
 この実態から別契約性を否定する学説を展開している人が、
名古屋大学の千葉恵美子教授です。
   参考 → クレジット契約の契約構造とは

 また、加盟店が悪徳な商法をしていた場合、クレジット会社も共同責任を
取るべきであると考えるのが社会通念だと思います。
 判例の中にも、リース契約の場合ですが、表見代理を認めて、
加盟店の詐欺を理由にクレジット契約を取消出来るとしたものもあります。
  判例  → http://anne_idic.at.infoseek.co.jp/gigyo/nagasaki0512.htm

 こんな風に、流れは既払いクレジット代金の返還の方向に向っていると感じますし、
そうあらねばならないと思う次第です。


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