職人型内容証明仕掛人の方法論 ! 第69号
[ 旧タイトル 内容証明郵便でブレイク! ]
平成21年6月27日発行
職人型内容証明仕掛人が一発解決を目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。
今回の目次
□ 悪用されるクイック・リース
☆ 狙われる中小零細業者
☆ 民法大改正の動き
□ 悪用されるクイック・リース
☆ 狙われる中小零細事業者
リースという新しい契約形式がアメリカから日本の風土に移植されて46年になります。
日本では未だにリース契約を規制する法律が整備されていません。
その為、中小零細事業者をターゲットにする悪徳リース提携販売業者が妖怪のように
闊歩して、リース契約の知識に乏しいユーザーを食い物にしています。
リース契約には、ユーザーの選んだリース物件をリース会社が販売店から買って
それをユーザーに貸すという賃貸借契約に似た外形がありますが、実質はファイナンスだ
とされます。 つまり、ユーザーはリース会社からリース物件の購入資金を融資されている
のだとされます。
その結果、リース会社は瑕疵担保責任を免責され、ユーザーが中途解約する場合には
残リース料全額の支払義務を負うなど、リース会社に有利な契約内容になっています。
ユーザーは騙されていてもリース物件に瑕疵があってもリース料全額を泣く泣く払わざる
を得ず、丁度支払い停止の抗弁が創設される以前のクレジット契約と同じ悲惨な状況が、
リース契約のユーザーにはまだ見られるのです。
目敏い悪徳販売業者によりこのリース契約が目を付けられています。
販売業者はリース会社と提携関係を結んで、リース契約書を持参して営業に歩きます。
販売業者がリース物件の納入からリース契約書の作成代行までやって、
リース会社はユーザーに納入と意思を確認するだけです。
これをクイック・リースといいます。
このクイック・リースは本来クレジット契約を結ぶべきものにまで広がっています。
例えばホームページ作成とプログラムソフトのクイックリースがそうです。
ホームページ作成という役務はリースに出来ないので、ソフトだけを契約書に記載して
月額25000円の60回払いというリース契約にしています。
契約後、ホームページの作成とかSEO対策の方は全くサポートがなく、ソフト自体も
150万円の価値は到底ないということになって、騙されていたことに気付かされるのです。
☆ 民法大改正の動き
IP電話機のクイック・リースでトラブルが急増したのは、5年前のことです。
さすがにこの時は経済産業省も動いて個人・家庭用に限り、ユーザーにクーリングオフ
を認める通達を出しました。
長いことユーザー敗訴の厳しい判決を出し続けていた裁判所も販売業者とリース会
社の一体性を重く見て、長崎簡裁平成17年12月2日判決のようにリース会社に表見
責任を認めたものが現れました。
そして、法務省もやっと重い腰を上げて、100年振りの民法大改正に乗り出しました。
ファイナンスリースを典型契約として規定する条文を新設するようです。
しかし、自由放任だったクイック・リースがどの様に規制されるかは、まだ不透明です。
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