職人型内容証明仕掛人の方法論 !  第95号
                  平成24年2月24日発行
        職人型内容証明仕掛人が一発解決目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。

                   今回の目次
           □ 改正割賦販売法とクーリングオフ

 改正割賦販売法は平成21年12月1日から施行され、早や2年が経過致しました。 
本改正の目玉の一つは個別クレジット契約のクーリングオフです。

 クーリングオフは条文上、訪問販売なら個別クレジット申込書又は個別クレジット契約書の
受領した日から8日以内とされます。
 尤も個別クレジット契約書に不備があれば法定交付書面を受領していないことになり、何時
でもクーリングオフが可能になります。

 相談があった時にはもう何ヶ月も経過していることが普通ですから、個別クレジット契約書に
不備がない限りクーリングオフは無理ということになります。

 最近、当事務所で個別クレジット契約書をチェックしていて感じるのは、クレジット会社は改正
割賦販売法を殆ど留意しているように思えない、つまり改正割賦販売法に基づき契約書を改訂
しているとは思えないということです。

 例えば、商品が主に事業者を対象にしている場合、契約書に「商行為対応」などと書いてあり、
クーリングオフに関する事項が記載されていなかったりします。

 しかし、訪問販売など特定商取引法上の5類型に係る契約の場合、事業者の契約であっても
「営業の為若しくは営業として」の契約に該当しない場合には、個別クレジット契約のクーリング
オフが可能です。

 主に事業者を対象とする商品であっても「営業の為若しくは営業として」の契約に該当しない
場合もあるのですから、特定商取引法上の5類型に係る契約の場合にはクーリングオフに関する
事項を個別クレジット契約書に記載しておいた方が後でクーリングオフされるリスク(その記載が
なけば何時でもクーリングオフされるリスクを負う)が軽減されるというメリットがあるからです。

 また、「商行為対応」という文言をそのまま残していることも、改正割賦販売法で「商行為」と
いう文言を使用していないのですから、改正割賦販売法に対する配慮を伺わせない印象を与え
てしまいます。

 次に、クレジット会社の加盟店調査義務・不適正与信禁止義務があります。
これは判例で認められていた義務を条文化したもので、悪徳販売店の淘汰に狙いがあります。

 個別クレジット契約書には加盟店調査義務に基づく販売契約の勧誘等についての調査
結果を記載しなければならなくなりました
(割賦販売法第35条の3の9第4項3号)
しかし、この記載がある個別クレジット契約書を今のところ見たことがありません。

 
 最後に、訪問販売で個別クレジット契約を締結した場合の法定交付書面は何通になるか、
そして改正割賦販売法により追加された法定記載事項について整理して置きます。

 訪問販売業者と申込と同時に売買契約を締結した場合には、申込書面は不要で売買契約書
が1通あればよいのですが、個別クレジット関係の書面では申込と同時に締結したとしても、
個別クレジット申込書面と個別クレジット契約書の2通が必要になります。

 そして、個別クレジット申込書が個別クレジット契約書より先に交付されていた場合には、
クーリングオフの起算点は個別クレジット申込書面の受領日になります。

次に、追加された法定記載事項ですが、
 訪問販売業者の売買契約書には、個別クレジット契約のクーリングオフにより売買契約も
クーリングオフされたものと見做されること(割賦販売法第35条の3の8
第8号)が追加されました。
 
 個別クレジット申込書には、販売契約の勧誘等についての調査の対象となるべき事項が
追加されました
(割賦販売法第35条の3の9第2項3号)。
 また、個別クレジット契約書の追加事項は上記の通りです。

 
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