職人型内容証明仕掛人の方法論 !  第97号
               平成24年5月8日発行
    職人型内容証明仕掛人が一発解決目差す合法的仕掛け作りのノウハウ。

               今回の目次
    □ 「信義則上相当とする特段の事情」とクレジット代金の支払停止

  支払い停止の抗弁は割賦販売法で定められた消費者保護の規定で、販売店に
対し抗弁出来る事由を以ってそのままクレジット会社にも抗弁出来るというものです。
この規定が割賦販売法に追加され施行されたのは昭和59年12月1日のことでした。

  ただし、割賦販売法が適用除外の場合や昭和59年12月1日以前の契約には
支払い停止の抗弁が使えません。
その場合にも使えるのが、「信義則上相当とする特段の事情」という判例理論なの
です。

  この理論が初めて登場するのは、平成2年2月20日付最高裁判決においてです。
                                 →判決全文

「昭和59年法律第49号(以下法改正という)による改正後の割賦販売法第30条の4
第1項の規定は、法が購入者保護の観点から購入者において売買契約上生じて
いる事由をあっせん業者に対抗し得ることを新たに認めたものにほかならない。

  したがって、右改正前においては、購入者と販売業者との間の売買契約が販売
業者の商品引渡債務の不履行を原因として合意解除された場合であっても、
購入者とあっせん業者との間の立替払契約において、かかる場合には購入者が
右業者の履行請求を拒み得る旨の特別の合意があるとき、

又はあっせん業者において販売業者の右不履行に至るべき事情を知り若しくは
知り得べきでありながら立替金を実行したなどの
右不履行の結果をあっせん業者に
帰せしめるのを信義則上相当とする
特段の事情があるときでない限り、


購入者は右合意解除をもってあっせん業者の履行請求を拒むことはできないと
するのが相当である」

  なお、上記判決は支払い停止の抗弁の規定を、昭和59年の法改正により
創設された規定と判断しています。
その上で、だから法改正以前の契約では「信義則上相当とする特段の事情」
がない限りクレジット会社に抗弁出来ないとしているのです。


  次に、近時の平成23年10月25日判決でも、上記判決を踏襲しており、
売買契約が公序良俗に反し無効とされる場合ですが、   →判決全文

「公序良俗に反する行為の結果をあっせん業者に帰せしめ、売買契約と
一体的に立替払契約についてもその効力を否定することを信義則上相当
とする特段の事情があるときでない限り、・・・・立替払契約が無効となる
余地はない」と判示しています。

  なお、本判決では、加盟店契約があるというだけでは特段の事情に
ならないが、、
クレジット契約締結時までに、他の購入者からの販売会社の販売行為に
つきクレームの申出があったとか、消費生活センターなどで問題とされて
いたという事実があれば、特段の事情に当たると考えているようです。

 実際にはそれがなかったとして立替払契約は無効とされませんでした。


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