情報のコーディネーター 第147号
令和4年9月16日発行
窮すれば通ず。 情報こそ反転の力なり。 コトバで心の壁を破れ。
今回の目次
□ ルーブルが侵攻前より高騰している理由
ロシアのウクライナ侵攻(2月24日)後、西側諸国は直ちに次の経済制裁を実施してい
ます。
ロシアをSWIFTから排除 → 決済を出来なくして、海外との経済活動を止める為
ロシア中央銀行の資産を凍結 → 通貨防衛の為の為替介入を阻止する為
しかし、ルーブルのドル交換レートは、予想に反する動きを示したのです。
ウクライナ侵攻(2月24日)直前、 1ドル= 75ルーブル
3月 1ドル=150ルーブル
4月 1ドル= 79ルーブル
5月 1ドル= 64ルーブル
6月 1ドル= 62ルーブル
7月 1ドル= 56ルーブル
8月 1ドル= 60ルーブル
つまり、僅か1週間で1/2も下落したルーブルは、2ヶ月で回復し、今ではウクラ
イナ侵攻前よりも高いレートで推移しているのです。
なぜそうなっているのか。
資源大国のロシアは原油や天然ガスなどの資源を輸出し、西側から工業製品を
輸入していますが、輸入より輸出の方が断然多く、経常収支は膨大な黒字になって
いました。
ウクライナ侵攻後、輸入は減りましたが、インドを始めアジアとアフリカ諸国が国
際価格より3割安いロシア産原油の輪入を拡大させた為、貿易黒字が更に大きく
なりました。
しかし、経済制裁により国外の外資準備(米ドルとユーロ)が凍結され、為替介入
が事実上出来なくなり、3月にはルーブルを売ってドルを買う動きが膨らみ、ルーブ
ルは暴落しました。
そこで、ロシア政府と中央銀行(ナビウリナ総裁)はルーブル売りを止める為、
次の通貨防衛策を打ち出したのです。
・ 外資確保の為、輸出企業に対し、外貨の8割を3日以内にルーブルに
替えることを義務付けた。
・ 天然ガスを買ったヨーロッパ諸国に対し、ルーブル建による代金決済を
要求した。
・ ガスプロムバンクでの決済(SWIFTの規制対象外)では、ユーロやドルで
振込んでも、当銀行がルーブルに両替して口座に振込めば、ルーブ
ルで受け取ったことにした。
・ ロシア中央銀行は投機的ルーブル売りを抑止する為、政策金利を
9.5%→20%(現在は14%)に引き上げた。
つまり、ルーブルの膨大な実需喚起によりルーブルの高騰が起こったと考
えられているのです。
しかし、経済制裁の効果が効いてくるのはこれからだとする見方も根強い
のです。
エネルギー輸出が先細ることは予想されていjますし、一方、ロシアの産業は
西側諸国からのハイテク工業製品や部品の輸入依存度が高く、これらか入っ
て来ないと、製造業の供給力が減退して物価が高騰することは明らかです。
ロシアのウクライナ侵攻は、世界の食糧価格を高騰させ日本での物価高の
原因になっただけでなく、ロシアでは高インフレ、低経済成長率、デフォルト、
国際信用力の失墜などをもたらし、ロシア崩壊の始まりを作ったのかもしれま
せん。
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