インターネット行政書士のフロンティア戦略  第109号   
                 平成25年9月21日発行 
      
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                  今回の目次
           □ 遺言検索システムの使い方
  


  公正証書遺言を作成しますと、原本は公証役場で保管し、正本と謄本が遺言者と遺言
執行者に交付されます。   

  しかし、遺言に最も利害関係があるのは受遺者と相続人です。 遺言執行者が受遺者
の場合は問題ありませんが、遺言執行者が受遺者でない場合にはその受遺者に遺言者が
公正証書遺言の存在や保管場所を知らせないで死亡する場合があります。

  また、噂で公正証書遺言を作成したと聞いていたのに遺品の中になく貸金庫も所在不明
であるということがあります。
  自筆証書遺言を預かっていた受遺者が、公正証書遺言の有無又は前の遺言の撤回の有
無を確認したいということがあります。

  このように利害関係人が公正証書遺言の内容を早く確認する必要に迫られた場合に利用
するのが遺言検索システムで、公正証書遺言の有無や保管する公証役場が容易に分かり
ます。  

  本システムは日本公証人連合会が平成元年1月1日から稼動させています。
公証人から日本公証人連合会に遺言者の氏名、生年月日、証書番号、遺言作成日(遺言の
内容は含みません)、作成公証人名、公証役場名、所在地、電話番号を報告させ、それをデー
タベース化して全国の公証人や利害関係人の照会請求に対応しています。
  照会請求する公証役場は全国どこの公証役場でも構いません。  利用料金は無料です。

  ただし、利用にあたっては以下の制限があります。

1 本システムを利用出来る人

  誰でもと云う訳にはいかず、次の者に限定されています。
 イ 遺言者の生前中なら →遺言者本人に限られます。

 ロ 遺言者の死亡後なら →法定相続人、受遺者、遺言執行者などの利害関係人に限られます。
   ※ 照会請求の際には、遺言者の死亡の記載がある除籍謄本、照会者が遺言者の利害関係人で
    あることを証明する資料、運転免許証などの本人確認書類を提示する必要があります。

2 本システムが提供するサービスの内容

   照会請求に行った公証役場からは「遺言検索システム照会結果通知書」が交付されます。
   公正証書遺言が登録されている場合には、遺言作成日、証書番号、遺言作成役場、作成公証人
   所在地、電話番号が通知書に記載されます。

   照会者は、本通知書を持って保管する公証役場に行き、閲覧又は謄本の交付を請求することに
   なります。   謄本の費用は1枚につき250円です。

3 正本と謄本の違いについて

   公証人は遺言公正証書の謄本を作成する権限が公証人法で認められています。
  謄本には末尾に「原本に基づき作成した」との文言が入り、公証人の署名と職印があります。
   謄本は内容が原本と同じであることが公証人により認証された文書ですから、正本と謄本の
  実務上の取扱いに差異はなく、何れも登記申請や銀行口座解約に使用出来ます。

   なお、謄本をコピーした文書を写しといい、遺言公正証書謄本にこの写しを添付しますと
  遺言公正証書謄本を返還してくれます。  これを原本還付請求といいます。


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