インターネット行政書士のフロンティア戦略  第117号   
                 平成26年7月25日発行 
      
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                    今回の目次
           □ 
休眠会社のみなし解散について



  経営の破綻等により事業活動を最後の登記の日から12年以上停止して
いる会社を休眠会社と云います。   
 清算手続きには結構な費用(100万円位)が掛かりますから、清算手続きをし
ないでそのままにしていることが多いようです。  休眠会社であっても清算手
続きが結了するまでは法人格が存続します。

 さて、休眠会社は企業犯罪の温床になり兼ねないということで、会社法第472
条第1項は、最後の登記の日から12年経過後に通知を出して2ヶ月以内に「事
業を廃止していない旨の届出」がない場合、解散したものと見做すとし、

 また、商業登記法第72条では「会社法472条1項の規定による解散の登記は、
登記官が職権でしなければならない」としています。

 更に、解散の登記の日から10年経過すると、登記官は清算結了と見做して
当該登記簿を閉鎖することが出来ます(商業登記規則第81条)。

 尤も閉鎖後であっても「清算結了していない旨の申出」をすれば登記簿は復
活しますから、登記簿が閉鎖されたとしても清算結了の登記と異なり、法人格を
消滅させないということです。
 ただし、有限会社の場合は、取締役に任期の制限がないのでみなし解散の規
定はありません。

 なお、上記みなし解散の規定(会社法第472条第1項)は、会社法施行日の平成
18年5月1日から適用されます。   会社法施行前は、旧商法406条ノ3第1項が
適用されていました。

  旧商法406条ノ3第1項では、平成14年10月1日の時点で最後の登記の日から
5年経過後に通知を出して2ヶ月以内に「事業を廃止していない旨の届出」がないと、
解散したものと見做すとされています。


 最後に休眠会社と税、登記懈怠と過料について整理します。

 休眠会社にも法人住民税(最低でも年7万円位)の支払義務がありますが、税務
署・都道府県等に対し休眠手続きをするか(再開予定の場合)又は廃業届を提出し
ますと非課税となります。
 
 みなし解散されますと、解散の日から2週間以内に取締役であった者を清算人と
して登記する必要があります(会社法第478条第1項1号)。

  この登記はなされていないのが通常と思われますが、解散から大分経った後に
清算人の登記をしなければならなくなる時があります。
例えば、会社名義の自動車の売却又は廃車の手続きをする時です。

 清算人の登記をすると、法務局から清算人に対し登記懈怠による行政罰としての
過料が課せられることがあります。


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