インターネット行政書士のフロンティア戦略  第130号   
                  平成28年5月24日発行 
      
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                    今回の目次
               □ 
シヤープ凋落の本当の理由



  シャープは2004年に亀山工場、2009年に堺工場という大型テレビ用液晶パネル
の世界最先端工場を稼働させています。

  しかし、そこにリーマンショック(2008年)が襲い掛かります
対韓国ウォンで急激な円高となり、韓国勢との価格競争力が著しく低下した為、資本
費負担が重い操業初期の堺工場の収益が悪化して、シャープ経営危機の大きな要因
となるのです。

  価格競争力でシャープより優位にたった韓国勢とは、サムスン電子とLGエレクトロ
ニクスです。   この2社が液晶テレビの世界シェフで1位と2位を占めます。

  シャープ経営危機の原因は、堺工場への過剰投資(4000億円)による膨大な在庫に
あったと云われたことがありますが、今では販路開拓の不徹底とする見方も有力です。

 大手家電メーカーには2つのタイプがあります。

イ 垂直統合型 
      液晶パネルなどの基幹部品の製造から液晶テレビなどの最終商品の組立まで
    を全て自社で行います。 
      シャープ、サムスン電子、LGエレクトロニクスはこれに含まれます。

ロ 水平分業型(ファブレスという)
     生産設備を保有せず企画設計のみを行い、製造を外部に委託するものです。
    アップルがこれに当たります。

     シャープを傘下に置くことになった台湾のホンハイは、委託された製造のみに
    専念して企画設計は行わないメーカーです。  アップルのスマホはホンハイで
    製造されています。

  
  もともと液晶パネルは設備集約型産業であり、最新鋭ラインへ継続的に大型投資する
ことによって競争力の強化が得られる産業です。

  LGその他海外の大手競合メーカーは、シャープを上回る規模の投資を続けて来ており、
堺工場への4000億円の投資もそれに比べれば過剰とは云えず、シャープの2007年以降の
設備投資はむしろ低下傾向になっていました。

  逆に、水平分業型タイプの代表格であるアップルは、2010年以降、デバイスメーカーや
製造委託先に1兆円規模の設備投資を行って技術ノウハウをブラックスボックス化する戦
略に転換しており、もはやファブレスとは云えなくなっています。

  シャープは東芝とソニーを液晶パネルの長期的な販売先と位置付ていましたが、結局
両社から提携を解消されたことが在庫増大の直接の原因になったのです。

  堺工場の稼働と並行して本格的な外販を行う「ク゜ローバル液晶パネルベンター(供給業
者)への脱皮を図るべきだったのです。

 

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