インターネット行政書士のフロンティア戦略 第142号   
                      平成30年2月7日発行 
           
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                         今回の目次
                □ 
ネム流出で見える仮想通貨の実態



  2017年は仮想通貨の元年と云われ、1年間で20倍位まで上昇を見せましたが、今年に
入ってコインチェックのネム流出事件が起き波乱の幕開けとなりました。

 仮想通貨の代表格のチェックコインを例に取りますと、2017年1月に10万円からスタートし、
9月に40万円、11月に80万円、12月に100万円、12月中旬に220万円まで上昇した後、12月
末に160万円まで下がりました。

  2018年に入って年初の180万円から下落が始まり、1月中旬で110万円に、その後140万円
まで回復した後は100万円前後を暫く推移して、現在70万円台に下がっています。

  これから分かるように、12月に急騰した後、1月中旬以降に徐々に下落して高値より50%
以上:も下落したのです。  しかし、昨年年初の10万円よりまだ10倍の値が付いています。

  1月中旬以降じわじわと下落した後、反発するかと思っている時に起きたのがコインチェック
のネム(580億円分)流出事件でした。


  この事件により仮想通貨というよくわからなかったものが少し見えて来たような気がします。
一番気になるのは流出分ネムが顧客に日本円で返金されるのかです。

 これまで私が知り得たことを整理すると以下の通りです。

1  流出したネムの換金は困難である。  というのはプロックチェーンの特性により引出
 した人物のアドレスが特定出来て移動の記録も全て残っており、流出したネムを換金し
 ようとしても拒否される。

   この窃盗は余り意味のないもので、愉快犯による犯罪ではないか。 だとすれば
 犯人が見付かれば、ネムが戻る可能性は十分にある。


2  コインチェックは昨年に1兆円以上の売買益がありそれを保管しているとすれば、そこ
 から返金が可能になる。   財務状況について明確に説明しないのは、差押を警戒しての
 ことらしい。


3  ネムのほぼ全額が流出した。  コインチェックはネムを「ホットウォレット」(オンライン上で
 保管する)と呼ばれるサーバーで保管していたり、マルチシグネチャ(複数の暗号鍵を用いる
 セキュリティー)を導入していなかった。

   金融庁はコインチェックのシステムの脆弱性を認識していて早期の是正を促していたところ
  だった。

   その一方、業者からの「新規参入のしやすさ」という要望も考慮して、セキュリティー面を業者
 の自主規制に委ねていたことが今回裏目に出てしまった感がある。


  昨年、日本は先進国の先頭を切って一早く仮想通貨の登録制を導入し、市場は年初より20倍
も高騰するなど活況を呈しましたが、今回の事件を契機にセキュリティー面が強化されるまでの
一休み的時間が経過すれば反発に転じるのではと信じるところです。


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