行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第56号
             平成20年3月14日発行 

            今回の目次
        □ 主債務者の破産と連帯保証人
        □ 健康食品とクレジット契約



   □ 主債務者の破産と連帯保証人

  破産法での連帯保証人の取り扱いは、まことに悲惨なものです。
民法の原則では、連帯保証債務は主債務に対し附従性があります。
つまり、主債務が消滅すれば、連帯保証債務も消滅します。

  しかし、民法の特別法である破産法では、主債務者が免責になっても、
免責の効果は連帯保証人に及ばないとされているのです。

  どういうことかと云いますと、主債務者が免責により債務を免れても、
連帯保証人は連帯保証債務を免れないということです。 しかも、連帯保証人
が主債務者の免責後に弁済しても主債務者に求償権を持たないのです。
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  考えて見るとこれは恐ろしい事態です。 連帯保証人というのは、主債務者から
「迷惑を掛けないから」とか「形式的なものだから大丈夫」などと懇願されて、
情義的にしぶしぶ連帯保証人になることが多いのです。

  債権者の方も債務者の経済状態とか連帯保証契約の内容など全く説明せず、
電話で簡単な意思確認をするだけです。

連帯保証人になる人というのは、将来自分が責任を被るかもしれないなんて
想像もしていないのが普通なのです。 もし連帯保証人の重さを分かっていたら
断わる筈です。 ですから、連帯保証人にはそれが知られないよう曖昧にして
つまり半ば騙して連帯保証人にさせているというのが実態なのです。
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  債権者は契約の時にそんないい加減な形で締結しておいて、いざ主債務者が
免責になれば、連帯保証人に請求して来ます。 
そして、裁判を提起されると連帯保証人の署名と印鑑から保証意思が推定される為、
連帯保証人が勝つのが容易でないというまことに悲惨な事態になります。

  近時では、契約から半年後位に主債務者が破産した場合、連帯保証人に
動機の錯誤があったとして連帯保証契約を無効とする判決もありますが、
こんな僥倖を受けられるのは、ほんの一部の連帯保証人に限られます。

  連帯保証制度そのものがおかしい上、破産法ではさらに拍車が掛かっています。
連帯保証人になったからといって何の利益も得ていない人に、つまり無償の慈善行為で
半ば騙されて連帯保証人になった人に、求償権も奪って主債務者の全責任を被せてしまう
という破産法の立場は、連帯保証人をほとんど奴隷の扱いと言っても過言ではありません。

 これは、憲法の平等の原則、民法の公平の原則・信義則に反すると、
私は考えますが如何なものでしょうか。



    □ 健康食品とクレジット契約 

 
健康食品はサプリともいいますが、要するに健康栄養補助食品のことです。
薬事法の適用される医薬品ではありませんから、広告など販売に関連して医薬的な
効能効果を標榜すると薬事法違反になります。

  では、サプリの広告で「必ず痩せる」と表記したらどうでしょうか。
身体機能に影響を及ぼした上で身体の構造に影響を及ぼすという表現をすれば、
薬事法違反となります。 ですから、「体脂肪の燃焼が促されて痩せる」と表現すれば、
薬事法違反です。  
 「必ず痩せる」だけなら、景品表示法違反(誇大広告)ということになります。
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 さて、最近ではサプリを訪問販売や電話勧誘販売で売る業者が増えています。
セールストークで「6ヶ月後に45キロまで落とせます」とか「サイズはそれぞれ○○センチに
なれます」などと勧誘して買わせ、実際に効果がなかった場合、不実の告知で取消ことが
出来ます。

  ただ、クーリング・オフについては出来なくなることが多いでしょう。
というのは、サプリは指定消耗品であり、使用・消費しているとクーリング・オフが出来ない
とされているからです。 ただし、これも契約書面を受領している場合です。

 もちろん契約書面の商品名欄になんやらカナカナの名前が並んでいて、一般の人には
どんな商品なのか分からない記載ならば、契約書面に不備があると言えますから、
いつでもクーリング・オフは出来ますが。

 クーリング・オフのいいところは、使用・消耗した分を支払う必要がないことです。
仮にクーリング・オフが駄目でも、不実の告知による取消で支払い停止の抗弁が出来、
未払いクレジット代金の支払いは止められます。
6ヶ月間サプリを使用して騙されたと分かっても全然慌てることはないのです。



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