行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第60号
             平成20年9月30日発行 

            今回の目次
        □ サブプライムローンって何?
        □ 1929年が再来するのか



    □ サブプライムローンって何?

  私がサブプライムローンという言葉を初めて聞いたのは、昨年のことです。
恐らく一部の金融関係者を除いて多くの日本人はそれまで知らなかったと思います。
それ以後、日本の金融機関が受けた損失が少ないこともあって、
何となく関心が薄れていました。

  しかし、今年の夏以降はリーマンブラザーズの破綻などでこれは対岸の火事で済まない
と感じ始めたのは私だけではないでしょう。
サブプライムローンなんて変なもので世界経済がメチャクチャにされかかっている・・・。
これが私の実感です。
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  このサブプライムローンとは一体何なのか・・・・。
これはアメリカ版悪徳商法であると云う人もいます。  本来住宅ローンの組めなかった
人々に、将来返せなくなると分かって貸しているからです。

  その背景には不動産バブルがあって、不動産は値上がりするという神話があったのです。
かっての日本と何と似ていることでしょう・・・・・。
  アメリカの状況が日本と違うのは、金融工学の手法がそれを支えていたことです。
サブプライムローンは証券化されて投資家に販売されます。

  証券化の際は他の多くの債権と組合せてリスクの分散がなされます。  
証券には格付け会社が高い評価を付け、また保証会社の保証も付きます。  
しかし、これらはサブプライムローンのいかがわしさを覆い隠す為の手法だったというのです。
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  ここまでは何となく分かるます。
しかし、リーマンとか錚々たる老舗の金融機関がバッタバッタと破綻してしまった理由は
何かと聞かれれば、言葉が詰まってしまいます。

  サブプライムローンが証券化されて投資家に販売されるというそのシステムが、
我々に馴染みのない金融のプロとプロの取引だからです。
私が急ぎ勉強したところを整理します。

  リーマンブラザーズのような会社を投資銀行といいます。
住宅ローンはまず地域の銀行で発生しますが、リーマンはその銀行から住宅ローン
債権を買い取ってそれをさらに組み直して債務担保証券(CDO)というものにして
投資家に販売していました。

  リーマンは販売前の莫大なCDOを保持していましたが、不動産価格の下落によりCDO
の価値が暴落し売れなくなりました。 その一方、投資銀行というのは住宅ローン債権を
買う資金を短期金融市場から調達していましたが、その金利が上がって借り難くなって
しまったのです。
 その結果、リーマンに膨大な損失が発生してついに破綻したのです。

  金融工学に支えられた証券化商品と聞きますと格好がいいのですが、
その中身は何となく自転車操業ぽく見えて来ます。



   □ 1929年が再来するのか

 今、本山美彦著「金融権力」を読んでいます。
こんなに分かり易くてワクワクする経済の本は久々です。

  世界には過剰な資金がある。 それがアメリカのサブプライムローンに向かい、
それが駄目になると石油や穀物に向って行く。
  今年のガソリンの急騰はそれを実感させてくれる。
スーパーに行くと、今日もチーズがなかった。
 そおいう形で我々の生活に影響している。 
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  本山氏は戦前の日本の農村に喩えている。
サブプライムローンの借り手は小作人で、貸主は不在地主と同じだと。
  貧農は借金が嵩んで土地を手放して小作人となり、地主はますます肥えていった。
これが日本を破壊に至らせた構造であったと。
 
  そこには悪徳な高利貸しが介在していたのである。
こんな陰惨な時代には戻りたくないものである。
           


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