インターネット行政書士のフロンティア戦略 第70号
平成21年7月10日発行
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。
今回の目次
□ コンビニというビジネスモデルの光と影
☆ コンビニの凄さ
☆ 独禁法違反とされた見切り販売制限
□ コンビニというビジネスモデルの光と影
☆ コンビニの凄さ
アメリカで発祥したコンビニというビジネスモデルは30年前に日本に移入されてから
独自に進化を続けて、今では日本発の代表的ビジネスモデルのような存在です。
コンビニがどれだけ凄いビジネスになっているかは、下のデータからも明らかです。
・コンビニ業界の年間売上 6兆9000億円 ( デパート業界 7兆6000億円 )
・店舗数 4万3000店
・コンビニ1店舗の平均年商 約1億6000万円
・坪当たりの年間売上高 コンビニ471万円 ( デパート398万円、
食料品スーパー291万円、ドラッグストア207万円 )
・1店舗あたりの平均客数 約900人、 徒歩で10分の約800メートル圏内の客が
対象で、この80%(固定客)が週1回以上行く。
・売筋商品 おにぎり、弁当、冷たい麺などの中食が売上の50%を占める。
☆ 独禁法違反とされた見切り販売制限
公正取引委員会は6月22日にセブンイレブンに対し、見切り販売の制限を独禁法違反
(優越的地位の濫用)として、排除措置命令を出しました。
見切り販売の制限はコンビニ業界の悪しき慣習としてあったものです。
賞味期限直前の弁当、オニギリ、サンドイッチなどの食品を値下げして販売することが
制限され、加盟店は已む無く廃棄処分をしていました。
しかも処分した商品の原価分を、加盟店が負担させられていたのです。
もし見切り販売が出来るとすれば、その分が店主の利益として跳ね返って来るのにです。
24時間オープンしていつでもあらゆる商品が揃っているというビジネスモデルの裏に
こんな加盟店搾取の構造が隠れていたのです。
もう少し、この構造を具体的に見てみます。
コンビニ本部は加盟店とフランチャイズ契約を結んでおり、加盟店の粗利益(売上から
原価を引いた額)の50%をロイヤルティ(チャージ)として徴収しています。
その際、コンビニ本部は廃棄・棚卸ロス原価(廃棄処分した弁当や売れ残った弁当や
万引された弁当などの仕入れ原価)を売上高から控除してロイヤリティを計算していま
した。
<具体例> 売上原価(仕入れ高) 1000万円、 廃棄・棚卸ロス原価 50万円
売上高 1200万円
コンビニ本部の利益・・・1200万円ー(1000万円-50万円)=250万円×50%=125万円
加盟店の利益・・・・・・・・125万円-50万円=75万円
このようにコンビニの計算方式では売上原価から廃棄・棚卸ロスを引いて原価を小さく
して、つまり売上高を廃棄・棚卸ロスの分だけ大きくしてロイヤルティを増やす仕組みに
なっていたのです。
この度、公取もついに動いてこの悪しき慣行を排除せよと命じたのです。
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