インターネット行政書士のフロンティア戦略 第75号
平成22年1月23日発行
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。
今回の目次
□ 不動産の売却と譲渡所得税
☆ 必要経費とは何か
☆ 長期譲渡所得か短期譲渡所得かで違う税率
□ 不動産の売却と譲渡所得税
☆ 必要経費とは何か
今日は不動産を売却した場合の税金について整理して見ます。
不動産を売却すると譲渡所得に対し課税され、所有が長期か短期かで税率が大きく
違って来ます。
まず、 譲渡所得とは収入金額−必要経費をいいます。
※ なお、譲渡 →交換、収用、競売、現物出資、代物弁済、法人に対する贈与なども含まれます。
次に必要経費とは取得費と譲渡費用の合計をいいます。
1 取得費とは
譲渡した不動産の購入代金や購入手数料、その後の設備費、改良費などの合計額に
なります。 建物の場合には減価償却費を控除した残金が取得費になります。
jまた、先祖代々から相続されて来た不動産を売却した場合など取得費が不明の場合
には、収入金額の5%が取得費とされます(不明でない場合でも5%と出来ます)。
↓
※ 5%で計算した場合には、整地費用等の整備費や改良費を支出していても取得費として
加算出来ません。
2 譲渡費用とは
譲渡費用とは不動産を売却する際に直接支出した費用のことです。
具体的には
イ 資産を譲渡する為に費用
契約書の印紙代、仲介手数料、登記・登録費用(登録免許税、印紙代、司法書士報酬、
農地転用の許可申請の費用)、測量費(実測図の作成、隣地境界線の明確化)、
交通費・通信費(謄本等の取得時や買主との交渉時)、その他譲渡の為に直接要した費用
ロ 資産の譲渡価額を増加させる為に支払った費用
借家人立退料、建物の取壊費用(土地を売る際に、その上の建物を取り壊した時の建物の
取得費と解体費用)、契約解除の違約金(有利な条件で他に譲渡する際)、建物補修費
(マンションを譲渡する際に買主の要望で実施した場合)、名義書換料(借地権を売る際に
地主に支払ったもの)などです。
なお、以下は譲渡費用となりません。
通常の維持管理の為の修繕費、固定資産税・都市計画税、税理士相談料、
譲渡代金回収に掛かった弁護士費用など回収に要した費用、引越し費用、
その他資産の維持・管理に要した費用
☆ 長期譲渡所得か短期譲渡所得かで違う税率
長期譲渡所得とは →譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年超の場合をいい、
短期譲渡所得とは →譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下の場合をいい、
何れになるかで税率が大きく違って来ます。
注意! →相続した不動産が譲渡した場合、被相続人の所有期間が承継されます。
↓ (理由 : 相続により包括承継するから)
※ 被相続人が所有していた期間と譲渡人が所有していた期間を合算した期間が →所有期間
長期譲渡所得の税率は
所得税が譲渡所得×15%、 住民税が譲渡所得×5% 計20%
短期譲渡所得の税率は
所得税が譲渡所得×30%、 住民税が譲渡所得×9% 計39% です。
なお、以下の場合には譲渡所得から特別控除が認められており、控除後の残金に
対し課税されます。 特別控除額は以下の通りです。
イ 土地収用法などで土地建物等を収用された場合 5000万円
ロ 居住用不動産を譲渡した場合 3000万円
ハ 特定住宅地造成事業などの為に土地等を譲渡した場合 1500万円
注意! (平成21年の税制改正)→ 新設の特別控除
ニ 平成21年1月1日から平成22年12月31日の間に取得した日本国内
にある土地又は土地の上に存する権利でかつ所有期間が5年超(長期譲渡所得)
の土地等を譲渡した場合 1000万円
↓
※ ただし、ニの特別控除は当該個人の配偶者又は直系血族、生計同一の親族、事実婚をして
いる者及びその者の親族で生計同一にある者などから取得した場合には除外されます。
さらに、取得原因が相続、遺贈、贈与及び交換、代物弁済の場合などには適用されません。
申告は譲渡資産の引渡しのあった日の属する年の翌年の2月16日から3月15日まで
です。
所有権の移転登記をすると、税務署から「確定申告書B」「と別表第三表分(離課税用)」
「譲渡所得の内訳書確定申告書付表兼計算明細書」が黙っていても郵送されて来ます
のでも、それに記載して申告・納税することになります。
※ ご感想・ご意見をお寄せ下さい。
→メールアドレス:redume@jcom.home.ne.jp
発行者 : 行政書士 田中 明 事務所
〒239-0822 神奈川県横須賀市浦賀5丁目42番11号
TEL・FAX 046−843−6976
マガジン説明用Webページ : http://lantana.parfe.jp/break1.html
内容証明郵便でブレイク! : http://lantana.parfe.jp/
インターネット法務支援室 : http://lantana.parfe.jp/seotope.html
-------------------------------------------------------------------
このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行
しています。解除は http://www.mag2.com/m/0000113282.htm