行政書士もぐもぐ......自分流情報発信 第13号
平成15年12月5日発行
今回の目次
□ 契約解除は応急外科手術のように
□ 流れは司法参加
□ 契約解除は応急外科手術のように
全国の消費生活センターに寄せられる年80万件以上の苦情・相談案件の内、
80%が契約や販売方法に関するものといわれます。
日本全国で毎年これだけの消費者が、
契約トラブルに遭遇し、助けを求めているのです。
契約トラブルで最大の難点は、契約の解除が中々容易でないことです。
一旦契約したものを簡単に合意解除に応じる業者がいるはずもなく、
また業者の責めに帰すべき事由があっても、直ぐにはそれを認めようとはしません。
ですから、一般の消費者がクーリング・オフの経過後に、
独りで契約解除を勝ち取るということは、かなり可能性が低いのです。
ж
消費生活センターに相談する人はまだいいとして、
それもせずただ泣寝入りしている 被害者が、相当いると想像されます。
目の前で血を流し助けを求めている被害者をそのまま見過ごすことは、
河で溺れかかっている人を助けないのと同じことです。
私は行政書士で出来る範囲で、血を止める為の応急外科手術をして
上げられたらと、いつも思います。
行政書士に出来る応急外科手術とは何か・・・・。
それが、内容証明郵便なのです。
ж
今、消費者トラブルの被害者を救済する為の法律が既にあります。
その法律こそ消費者契約法であり、特定商取引法です。
この2つの法律は、応急処置の最も頼りになる手術道具です。
消費者契約法は、施行からまだ2年半の新しい法律です。
従って、判例の蓄積がまだなく、未知数なところがあります。
つまり、どおいうケースに適用出来るのか、こおいう解釈でいいのか、
そこがまだ半信半疑なところがあるのです。
しかし、被害者は今血を流しているのです。
血を一刻も早く止めてあげることが先決なのです。
依頼があったら、直ちに内容証明郵便を送ってやる必要があります。
それは、これから新しい判例を作るのだ見たいな意気込みで
やらねばなりません。まるで、エイヤ−の世界です。
しかし、応急処置とはそんなものではないか・・・。
何もしないで見ているより全然いい。
例え、応急の手術でも、血が一時でも止まれば、
行政書士として任務を果たしたといえるのではないか。
やるべきことはやって、難しい法律問題や紛争になったら、
それこそ弁護士に登場を願えばいいのです。
ж
契約解除を書こうとして、私の行政書士論みたいになってしまいました。
私が言いたかったのは、法定解除や約定解除だけが解除ではない
ということです。
消費者保護の先頭を切る有力な学説では、
盛んに「被害救済の法理」というものを展開しています。
それを用いて、諄諄と契約の解除或は契約の不成立や無効性を業者に
堂々と主張してもいいのです。
さて、「被害救済の法理」とは何か・・・・。
それは、契約締結上の過失、消費者の認識と表示の食違いによる契約不成立、
消費者の動機における勘違いによる錯誤無効、公序良俗違反、暴利行為、
特定商取引法違反行為による契約無効、信義則による請求否定などなどです。
これらの法理はやがて判例を形成していくであろうと、
私は自由勝手な想像を独り巡らしているのです。
ж
内容証明郵便は、裁判に勝つのが当面の目的ではありません。
今流れている目の前の血を止めることです。そうなら、進んだ学説でも何でも
総動員して、緊急外科手術をやって見たとしても、
非難される謂れはないはずです。
そして、合意解除という道がそこから開かれたとしたら、
これ以上の成功はないでしょう。
狙いは、合意解除にあります。
もし、消費者に理があるなら、内容証明郵便の書き方次第で
血が止まることだってあると考えたとしたら、少し楽観過ぎるだろうか・・・。
□ 流れは司法参加
11月に日行連の研修センターが開講されました。
司法研修を充実させて、司法参加に備えようというわけです。
赤坂のプリンスホテルという何となく政治っぽい会場で、麻生総務大臣や
法務大臣が来賓として見えられ、土派手な記念式典がありました。
麻生さんは中々の役者だった。少し遅れてやって来て、
延々と行政改革の歴史的流れをしゃべる。
「日本は1868年に開国した」などと平気でいう。
私は横須賀市の浦賀に住む者なので、これは間違いだと直ぐ気付いた。
ペリーの来航した1853年に、つまり今から150年前に開国したのです。
しかし、そんなミスもほとんど気にならない程、話は大きいのだ。
要するに、小泉改革は大改革なのだということを言いたいらしい。
ж
それはおまけとして、日行連の方向は完全に司法参加です。
しかし、支部の人達とはかなりの落差があるように思えます。
古い年配の行政書士は、いまさら勉強してもと思うのも無理はありません。
でも、行政書士の将来は、司法参加しかないことも事実でしょう。
許認可業務は手詰まりなのです。これからは、民事法務なのかもしれません。
日行連は、その意味では先取りをしているのです。
弁護士にはちょっとなれないが、民事法務はやりたいという若い人には、
行政書士が面白く見えて来るかもと思った次第です。
※ ご感想・ご意見をお寄せ下さい。
→メールアドレス:redbabena@yahoo.co.jp
発行者 : 行政書士 田中 明 事務所
〒239-0822 神奈川県横須賀市浦賀町5丁目50番地211
TEL・FAX 046-843-6976
マガジン説明用Webページ : http://lantana.parfe.jp/melmogu01.html
内容証明郵便でブレイク! : http://lantana.parfe.jp/
インターネット法務支援室 : http://lantana.parfe.jp/seotope.html
-------------------------------------------------------------------
このメールマガジンは、『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/ を利用して発行
しています。解除は http://www.mag2.com/m/0000110319.htm からできます。