インターネット行政書士のフロンティア戦略  第 168号   
                      令和4年4月14日発行 
           
民事法務のフロンティアに鉱脈を目差すインターネット行政書士のマインドと戦略。

                         今回の目次
                    □
ロシアという国の歴史と正体


 
ロシアのウクライナ侵攻から1ケ月半、その間にロシアという国の正体が見えて来た
ように思います。
 
  ロシア軍はウクライナに侵攻後、ミサイルで病院、集合住宅、学校、劇場、民家など
非軍事施設を破壊し、ウクライナ人に対し略奪、拷問、拉致、殺戮、遺体の遺棄を行
ったとされる映像が毎日流れています。
  
  21世紀の今に、身の毛がよだつような残虐行為を大国の一つと思われていたロシ
アが平然とやろうとは・・・・・・・。
  これは半世紀も時代を巻き戻すような時代錯誤であり、私たちはロシアという国を
考え直さねばならない時が来たと云えます。

 
  ロシアが今やっていることは、何百年も前にモンゴル帝国の末裔がロシアにやった
ことを思い起こさせます。

  かって、ロシアの平原には、キプチャク汗国(1243~1502)、クリム汗国(1502~1783)
というモンゴル帝国の末裔が居座っていた時代がありました。

  特に、キプチャック汗国支配の時代は、西ヨーロッパが「ルネサンス」という近世の
夜明けを迎えたというのに、ロシア人は「タタールのくびき」の下でその影響を全く受け
られませんでした。

  クリム汗国は、キプチャク汗国の滅亡後、クリミア半島に建国されたモンゴル帝国
最後の残存勢力で、ウクライナ南部にも領土を拡大します。
  
  クリム汗国の住民はトルコ系でクリミア・タタールと呼ばれていました。

  その頃、ロシア人は北にモスクワ大公国を建国していましたが、クリム汗国はしば
しば攻め込み、都市や農村を焼き払い、住民を奴隷として連行していったのです。

 モスクワ大公国は、クリム汗国に大金を叩いて住民を取り戻したり、襲撃を回避す
る為に貢納の要求に応じねばなりませんでした。


  クリム汗国は、1783年にロシア・ロマノフ朝のエカテリーナ2世により征服されま
すが、タタールという言葉はモンゴルを差す言葉として残りました。

  ロシア人は既にシベリアを征服していた19世紀になってもユーラシア大陸の東岸
をタタールの岸辺と呼んでおり、 モンゴルの記憶が如何に強かったかが伺われます。

  シベリア征服に貢献したのがコサックと呼ばれる人々で、このコサックは17世紀に
ウクライナ地方に現れたウクライナ人で、国家には帰属せず自由に生きる正教徒の
騎馬武装集団です。

  コサックはクリム汗国の襲撃を防御する働きをし、その結果、モスクワ大公国は
勢力を拡大させたのです。

 
  ウクライナはソ連崩壊(1991年)後の独立時、世界第三位の核保有国でしたが、
やがて核を一切放棄します。  

  ウクライナの識者によると、これは当時のウクライナの無能な政治家がロシアと
欧米に騙されてしたもので、もし一部でも核を残して置けば、抑止力が働いてロシア
の侵攻はなかったと云います。
 
  ここに来て、中立国だったスウェーデン、フィンランドがNATOに加盟する動きを示し、
ドイツは軍備予算の拡大を表明しています。

  西側ではロシアのエネルギー抜きで経済秩序を再構築することで動き始めてい
ます。

  これこそプーチン最大の誤算だと云われているのです。


  プーチンは、「ルースキー・ミール(ロシアの世界)」という独断的な歴史観により
ウクライナとロシアは;歴史的に一体だといい、ネオナチからの解放をウクライナ
侵攻の理由付けにしているのです。

  しかし、多くのウクライナ人はロシアと歴史的に一体だなどとは思っておらず、
実際にウクライナの歴史や文化や国柄はロシアとはかなり違うのです。


  私にはこの度のウクライナ侵攻が、ロシアの歴史に負の遺産として刻まれてい
た騎馬民族国家モンゴルへの逆襲に思えてならないのです。

  私の勝手な精神分析を述べるなら、プーチンは半ば無意識的にピョートル大帝
と同化して過去のモンゴルへのコンプレックスを解き放とうとしたように見えるの
です。



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