行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第22号
             平成16年9月22日発行 

               今回の目次
          □行政書士の隠れキリシタン問題って何?
          □衝撃の本



  □ 行政書士の隠れキリシタン問題って何?

 裁判所へ提出する書類は、弁護士か司法書士の独占業務とされています。
裁判所も官公署だから、行政書士も作成出来ると主張する学者もいますが、
表立って堂々と公言する行政書士は余りいません。

 しかし、ベテランのつわもの行政書士になると、
作成しても問題は起っていないからと、ダメだとは言いません。
 日本の裁判というのは、本人申請が原則になっているから、
自分で書こうが他人が書こうが、本人申請に変わりはないというわけです。
 このように形は本人申請であるが、
中身は行政書士が書いているという場合を、隠れキリシタンと呼ぶようです。
                     ж

 結局、行政書士に能力があれば、本人よりうまく書けるはずですし、
裁判所にとってもそれを封じる理由は全くありません。
依頼者にとっても、ワンストップサービスというメリットがあります。
 このように裁判所にも、依頼者にも少しも問題はないのに、
司法書士法の解釈で行くと出来ないということになってしまいます。
 
 これも明らかに実態と法律との間に齟齬を来たしている例だと、
私は考えるのです。 
 司法書士会は現行法を牙城に独占権を主張しますが、そこには
市民にとって法律サービスは、どうあるべきかという哲学が感じられません。

 市民が一番望むのは利便性であり、その為にはワンストップサービスがいいのです。
行政書士に内容証明郵便を依頼し、それで解決しない場合は
小額訴訟の訴状や特定調停の申立書も書いて貰える。これが究極のワンストップです。
 弁護士法72条の改正も含めて、相互乗り入れが可能な法体系に改正して欲しいと
願う次第です。


    □衝撃の本

 山口宏著『裁判の秘密』(洋泉社、2003.1)は、極めて質の高い暴露本です。
弁護士も悩んでいるのです。やたらと時間だけが掛かる裁判、権利の実現が伴わず
紙切れに過ぎない判決書・・・・・・。ベテラン弁護士の赤裸々な告白が綴られています。
要するに、今の手続法は尻抜けだというのです。
 裁判には素人なりのイメージがありましたが、この本を読むとやっぱりそうか、
弁護士などにならなくてよかったと思えてくる。

 法体系を一度見直すべき時期に来ているのでしょう。
法律の文章ほど、国民から見ても分り難いものはありません。
 山口氏は裁判なんか少し変な人間が起すものだという。
税理士や司法書士が羨ましいともいう。
 当事務所にも時々弁護士は何もやってくれないという電話が掛かってくる。
弁護士はクタクタに疲れているのだ。
小さな案件なんかとても構っていらないのである。そう思えてくる。
                    ж

 複雑でない案件は、初めから行政書士で十分なのである。
行政書士は弁護士ほど忙しくないから、丁寧にやって上げられる。
そして、小さな案件は大抵まともな人同志のことが多いから、
内容証明郵便や小額訴訟で解決するのである。
 だから、なんでもかんでも弁護士に持っていくのではなくて、
行政書士をもっと法律問題の窓口として広く解放すべきなのです。
 これは絶対弁護士だって反対はしないはずだと思うこの頃です。

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