行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第28号
             平成17年3月9日発行 

            今回の目次
        □ ADR法と行政書士
        □ 自己破産申立実務に思う



   □ ADR法と行政書士

 ADR法は、正式名称を「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」と
いいますが、平成16年12月1日に公布されました。
ただし、施行は2年半後までの間とされています。
 この法律は、行政書士に一体どんな影響があるのでしょう・・・・。
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 ADR法とは裁判所以外での紛争解決について、
利用者にもっと広い選択の幅を保証しようというものです。
 法務大臣の認証を受けた事業者は、
報酬を取って和解の仲介(調停、あっせん)が出来ることになりました。
 行政書士会その他多くの団体は、競ってこの認証を取ることが予想されます。
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 さて、行政書士が個人として報酬を取るには、利用者からの委任があって、
代理人としてADRに関与出来ることが前提です。
しかし、現在のところ行政書士へのADR代理権付与は、不透明なのです。

 面白いと思いますのは、司法書士、弁理士、社会保険労務士、
土地家屋調査士の四士業については早期の具体化を掲げているのに対して、
なぜか税理士、不動産鑑定士、行政書士については、
施行後の手続実施者(行政書士会等)の実績等から見極めるとしているのです。

 誰がそうしているかと言うと、司法制度改革推進本部を引継いだ
司法制度推進室(内閣官房内に設置)です。
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 隣接法律専門職種を二つに分けたのは、一体どんな根拠によるのでしょう・・・・。
行政書士に対するニーズの存在が、全く理解されていないと言わざるを得ません。

 行政書士に依頼して来る案件というのは、低額な案件であって、
紛争性も低く和解の成立する可能性が高い案件なのです。
それらは弁護士なら受けないであろう案件であり、
行政書士がやらないとしたら泣寝入りしかない案件なのです。

 そのようなニーズがある以上、行政書士にADR代理権を付与して、
ADR利用の機会を担保するのが当然のことと私は思うのです。
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 これに関連して私見を申しますと、
裁判所関係書類の司法書士独占もどうかと考えます。

 例えば、遺言書検認申立書というのがあります。
これは、家事審判法の甲類審判事件の書類です。
行政書士が遺言執行の委任を受けると、まず通る最初の関門です。

 実務的には事実関係を陳述するだけのどうということのない書面ですが、
現行法では行政書士が書けないことになっています。
 本当に難しいのは遺言執行の手続なのであって、
それが行政書士に出来るのに、
検認の書面だけは別というのは、理に適っていません。

 やはり、法律の方が現状と合わなくなっているいい例なのです。
法人登記申請と同様、これも行政書士に解禁されて然るべきもののひとつなのです。


   □ 自己破産申立実務に思う

 破産法の改正があり、今年の1月1日から施行されています。
破産手続と免責の申立が同時に出来ることになった点や
破産宣告後はもう強制執行が禁止されるなどが、大きなポイントです。

 さて、自己破産申立というのは、弁護士と司法書士の独占となっています。
しかも、20万円から60万円という報酬を取っています。
確かに添付書類の数は多いのですが、
これが訴訟などと同程度に難しい実務なのかという気は致します。
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 私見を述べれば、これも事実関係を正確に陳述すればいいもので、
法的な主張などは一切要らないのです。
法人登記申請や遺言書検認申立と実に酷似している法律事務なのです。
行政書士が書けないというものでは絶対ないものです。

 よく能力担保という言葉を聞きますが、事実関係を書く書面なのですから、
民事訴訟法その他法律の知識よりも、
社会経験の方が意味を持っている事務なのです。

 利用し易い司法という観点からすれば、
身近にする行政書士がもっと活用されて然るべきだと思うこの頃です。

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