行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第38号
             平成18年2月17日発行 

            今回の目次
        □ ジェイメディア判決の波紋
        □ 免責不許可事由



    □ ジェイメディア判決の波紋

 昨年3月に仙台と横浜の地裁で、クレジット判決史上画期的な判決がありました。
事案のクレジット契約を錯誤により無効と判示したのです。

 原契約はJR駅の電光式広告板に月額25000円で、
5年間広告を表示する継続的契約です。お客さんは中小事業者です。
ところが業者は2年で倒産し、広告は当然表示されなくなりました。
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 問題は支払方法でした。広告主のお客さんとしてはクレジット会社が集金代行
しているとてっきり思っていました。契約締結時の説明がそうだったからです。
 しかし、クレジット会社の方は立替払いしているので、
当然お客さんに請求して来ました。
                   
 ここで中小事業者のお客さん達は現行の割賦販売法の下で、
著しく不利な状況に立たされることになった訳です。
 支払停止の抗弁も商行為の前に跳ね返されてしまいます。

 しかし、集金代行と思って契約したら、
クレジット契約だったから支払えというのも理不尽な話です。
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 でも裁判官はさすがに法の番人です。
クレジット会社よりもお客さんの中小業者の方を保護すべしと考えたのです。
 通常では錯誤無効というのは中々認定されないのですが、
業者もクレジット会社も共に相当悪質と見たのでしょう。

 実際、ジェイメディア事件というのは、加盟店とクレジット会社が結託して
クレジット契約を集金代行と偽って契約させていた節が見受けられるのです。

 原契約書にはもし支払がクレジット契約によるとすれば、
整合性が取れない条項があるのです。
また、クレジット契約書もおかしいのです。

 クレジット契約書というのは、1枚目のクレジット申込書と記載事項が同じです。
しかし、そのクレジット申込書で割賦手数料は、ゼロと記載されているのです。
 つまり、ここでまず割賦販売法に違反しているのです。

 これはクレジット会社としては重大なミスであり、こんなことを放置して
後でクレジット契約だと主張しても信義則に反するというべきものです。
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 本事案は割賦販売法の改正に向けて追い風となるものです。
商行為だからと言って、割賦販売法の適用がないなんてもう時代錯誤です。

 悪徳業者は商行為という隙間を狙っているのです。
クレジット会社と結託して甘い汁を吸う構造は、もう許すべきではありません。
 

   □ 免責不許可事由

 破産債権者から、意見申述書についての相談がありました。
破産債権者とは、破産を申立てた人がお金を借りていた人のことです。

 相談者のお話を聞きますと、職場の同僚として信用したが、
借りる時に嘘をついていたという。
また車を買ったり、風俗で派手に遊んでいるから、免責は許せないという。
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 個人的に友人からの借金は、免責から外せないものかと私は一瞬思いました。
しかし、今の破産法の下ではそれは出来ないのです。
結局、債権者一覧表には全ての債権者を記載しなければならないのです。

 さて、詐欺的借入れや浪費があると免責は許可しないことになっています。
しかし、実際には少々のそれがあっても裁判官の裁量で免責になることが
多いらしいのです。
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 破産とは国営の駆け込み寺みたいなものです。
さんざん借りまくって、支払不能となった人間の方が保護されるのです。
 ますます気の毒なのは、騙されて貸した友人達です。

 任意弁済で20年掛かってもいいから、返してくれればと漏らします。
しかし、破産に駆け込まれてしまってはその保証も出来ないのです。

 サラ金の融資も過剰融資です。しかし、高金利を取ってリスクを担保しています。
その点、金を貸す一般人はあまりに無防備であることが多いのです。

 50万円以上の金を貸すときは、必ず公正証書を作るべきなのです。
そして、返済期限が来て返済がなかったらもう法的手続きの準備をすべきです。
友人に金を貸すときは、まず行政書士に相談して下さい。

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