行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第39号
             平成18年4月18日発行 

            今回の目次
        □ 近況
        □ 不動産仲介業者の説明義務



     □ 近況

 グリーンの麗しい季節となりました。
庭ではチュリップが咲き、つつじ、エニシダ、ヒメウツギ、石楠花といった花木が
これから花を咲かせようとしています。

 今年の横須賀地方は、大変寒い冬でした。
私は3月に入り疲れが出たのでしょうか、スランプになりました。
3月の発行はお休みてしまいました。大変申し訳ございません。

 しかし、相談の方は意欲の沸く面白い案件が来ていますので、
メルマガの題材には事欠きませんのでご安心下さい。


      不動仲介業者の説明義務

 不動産の買物は、一生に一度の買物です。
また契約してから解約するには、高額な手附金を放棄する必要があります。
ですから、不動産の売買契約は慎重の上にも慎重を期す必要があります。
 
 完成前の物件の契約に多いのですが、
完成して見ると予想と違っていたという場合があります。
もし、その違いの原因が業者の説明不足にあるとすれば、
債務不履行責任を問えないのだろうか・・・。
                   ж

 その前提として、宅建業法で規定する説明義務について整理して見ます。
説明義務に関する条文は、35条と47条の二つです。

 まず35条では、宅地建物取引主任者をして、少なくとも次の事項について
記載した書面を交付して説明しなければならないと規定しています。

 1 当該宅地又は土地の上に存する登記された権利の種類及び内容並びに
     登記名義人又は登記簿の表題部に記載された所有者の氏名
 2 都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容に別
  に応じて政令で定めるものに関する事項の概要
 3 当該契約が建物の賃貸の契約以外のものであるときは、
  私道に関する負担に関する事項
 4 飲用水、電気及びガスの供給並びに排水のための施設の整備の状況(整備前
  の場合はその整備の見通し及びその整備についての特別負担の関する事項)
 5 当該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のもので
  あるときは、その完了時における形状、構造その他国土交通省令で定めた事項
 6 代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び
  当該金銭の授受の目的
 7 契約の解除に関する事項
 8 損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
      以下は省略
          
 次に47条では、宅地建物取引業者は次の行為をしてはならないと規定しています。

  1 重要な事項について、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
  2 不当に高額の報酬を要求する行為
  3 手附について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の
   締結を誘引する行為
                   ж

 さて、35条は所謂重要事項説明書に最低限記載すべき事項を
例示したものとされます。
これに違反した業者には、1年以内の業務停止という行政処分が課せられます。

 問題は、47条の重要事項とは何かです。
これは、この事実を告げないことで買主が重大な不利益を蒙る事実と解されています。
そして、判例によれば、当該買主にとって不利益となるかではなく、
一般的な購入者の利益に関する重要な利益であるか否かで判断されるとしています。
  
 具体例で言えば、
  「自殺者が出た物件である」、 「隣が暴力団の事務所である」
  「建物について建築基準法第6条の確認を受けていないこと」
  「宅地にむついて宅地造成の許可、開発許可を受けていない」 などです。

 つまり、これらのことは重要事項説明書に記載していなくても、
35条違反にはなりません。
 しかし、口頭で説明しなかった場合は、債務不履行になるだけでなく、
懲役1年以下又は50万円以下の罰金が課せられるのです。

 ですから、重要事項説明書に書いてあれば十分というのではなく、
買主の利益に関する重大な事実と思われることは、
積極的に告知すべき義務があるのです。



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