行政書士もぐもぐ......自分流情報発信 第42号
平成18年7月25日発行
今回の目次
□ 非弁に気を引き締めよう!
□ 政策論としての相互乗り入れ
□ 非弁に気を引き締めよう!
曇天の上、湿度が85%もある。この1週間はずっとこんな天気です。
そこに西の方の行政書士が非弁活動で有罪判決(懲役2年、執行猶予3年)との
ニュース。正直、私も気が滅入りました。
この行政書士は何をしたかというと、
まずホームページに「クレサラ相談室・尾上法務事務所」と掲示し、
相談に来た多重債務者に報酬を得る目的で自己破産の効果を説明し、
手続きを指導し申立てをさせたというもの。
これが弁護士法第72条の非弁活動とされたのです。
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私は判決全文を読んでいませんが、新聞によれば「法律的知識の欠如から実際に
取るべき措置を怠り被害もあり・・・・」と判決理由にあるそうです。
要するに、法的手続きの知識があるように見せて多重債務者の相談に応じ、
被害を与えたということが悪質とされたのです。
この判決のポイントは、法的手続きの効果の説明や指導だけでも
報酬を得る目的でやれば、有罪になるということである。
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今、行政書士の間では民事法務がブームである。
イギリスの事務弁護士のような位置付けが行政書士の将来像であるとしても、
そうなるにはちゃんとした法律の改正が大前提なのである。
安易に業務範囲を拡大すればこんなことになるぞと、
この判決は警鐘を鳴らしているのです。
しかし、行政書士は民事法務分野の勉強をするなというのではない。
この分野は実に幅広く、またレールの敷かれていない隙間のような領域がある。
悪徳業者による被害が多く発生しているのは、そんな領域なのである。
そんな分野の法律的知識を徹底的に勉強して、被害者救済に活かすこと、つまり
争訟性がない限り行政書士の業務として取り込むことは出来るはずである。
ただ、法的手続きなどの他士業者の独占業務にまで立入ることは許されません。
民事法務系の行政書士は勉強していて法的手続きの知識が結構豊富です。
だからといって、行政書士が報酬を得る目的で知識を提供することは
出来ないのです。
□ 政策論としての相互乗り入れ
私は行政書士を開業して3年半である。
開業当初から弁護士法72条の問題が頭から離れたことはありません。
これは誰でもそうらしい。誰でも非弁をしたいとは思ってないのです。
しかし、時が経過するにつれて感覚が鈍ってくることは否めません。
ひとつには、無料相談をやっていると、お客様から行政書士業務の範囲を
超える相談も結構あるからです。
もちろん無料相談は、行政書士業務の充実にとって実に宝庫です。
問題の所在をお客様から教えられたことは数知らずです。
それが勉強の端緒となり、その成果がホームページの充実に
どれ程役立ったことでしょう。
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知識が豊富になると、それで稼げればという考えが芽生えて来るのも事実です。
しかし、そこに業務逸脱の危険があるのです。
ある特殊分野で弁護士以上の知識を持ったとしても、所詮行政書士なのです。
慢心ほど身を滅ぼすものはないのです。
としましても、職域の問題が何時までもヤクザの縄張り争いのようでは、
国民の利益にならないでしょう。
私は地下鉄と私鉄の相互乗り入れのことを、何時も思い出します。
利用者の利便性を高め、かつ共存共栄が図られて見事に成功しています。
誰か素晴らしい政治家が現れて、こんな戦略的解決を図ってくれないものか・・・
と密かに願うこの頃です。
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