行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第49号
             平成19年5月31日発行 

            今回の目次
        □ 3ヶ月経過後の相続放棄
        □ ネットオークションの法律問題



   □ 3ヶ月経過後の相続放棄

 相続放棄は、相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に
しなければならない(民法第915条)と、されています。

 さて、特殊な場合として、被相続人の死亡を知って3ヶ月以上経過した後に、
被相続人に連帯保証債務があったことを債権者の請求で知らされることがあります。
 
 もし、このような場合にもう相続放棄が出来ないとすれば、相続という偶然の事由で
相続人の意思が一切関与していない債務を負担しなければならなくなり、
これは社会通念として相続人に酷すぎます。

 そこで、判例では、以下の条件を満たす場合には、相続放棄が出来るとしています。
 1 被相続人が死亡した時、財産調査をしたが、借金の存在は分からなかった。
 2 借金の存在を知ってから3ヶ月以内である。
 3 相続時に財産を受取っていないし、財産を使ってもいない。

 具体的には、被相続人には財産もなく、遺産分割協議もしないまま時が経過して、
ある日突然債権者から連帯保証債務の請求が届いたというケースがそれに当るでしょう。
事情をよく家庭裁判所に説明すれば、相続放棄が認められることがあるということです。



    □ ネットオークションの法律問題

 当事務所にもネットオークションに絡んだ相談が結構あります。
商品が届かない、商品が届いたが違っていた、商品に瑕疵があるといったものです。

 ヤフーその他オークションの大手主催者は、補償規定を設けておりますので、
まずはそれの利用を検討するのが先決です。

 ただし、出品者と直に交渉して契約した場合には、補償規定の適用がありません。
そこで、買主は直接売主と契約解除その他の交渉をしなければなりませんが、
売主がすんなりと応じてくれないことがままあるようです。
                    ж

 オークションに出品される商品は、中古品が通常です。
つまり、中古品の場合、現状で引渡せば履行したことになります。

 ところで、買主がてっきりAだと思って買ったら、実際はAではなかったという場合、
買主としてはどんな法律的主張が可能でしょうか・・・・・。
まず考えられるのが、錯誤です。
ただし、錯誤は買主に重過失があれば主張出来ません。

 そこで、買主が商品説明や掲載記事からAだと認識し、買う意思決定をしたが、
専門知識があればBの商品だと分かったというケースではどうでしょうか・・・。

 買主が一般の消費者で、そんなプロの業者しか知らない専門的知識を持たない
のが通常と考えられる場合なら、重過失とはならないはずです。
 仮に、錯誤が認められないとしても、売主はAを売ってAを給付していないのですから、
債務不履行となり、買主は契約解除と代金返還請求ができることになります。

 消費者契約法の不実の告知による取消もできると思います。

 ネットオークションでは相手が遠方の人が多く、それをよいことに
売主は色々と難癖のある抵抗をして来ることがあるようですから、
きっちりと法律で理論武装してかかる必要があるのです。



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