行政書士もぐもぐ......自分流情報発信  第54号
             平成19年12月29日発行 

            今回の目次
        □ 割賦販売法はどう改正されるのか?
        □ 探偵業法と戸籍調査

 

    □ 割賦販売法はどう改正されるのか?

  割賦販売法の改正案が、いよいよ来年の通常国会に上程されます。 
支払い停止の抗弁の規定が設定されたのは1984年ですが、それ以来24年振りの大改正
になることは間違いありません。

  毎日新聞はクレジット不信という特集を組んで、次々販売などの赤裸々なクレジット被害の
実態を報じています。 次々販売の被害にあっている消費者の多くは、高齢者、知的障害者、
認知症の人、うつ病などの精神障害者、要介護の身体障害者などで、一人暮らしをしていたり、
周りに契約などの相談をする人がいないという社会的弱者なのです。

  悪徳な次々販売業者というのは、そもそも判断力が低下していて、支払い能力も高い
とは思えないこれらの社会的弱者をターゲットにしているのです。
こうして、業者は一人の社会的弱者に蠅のように集って、次々と買わせ、あっという間に
クレジット契約の総額は300万円とか500万円もなっているというのが実態です。 
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  こんなクレジット契約が実際に締結されていたということは、法に抜け穴があったのです。
今度の改正案では、クレジット会社の適正与信義務、加盟店調査義務、過剰与信防止
義務が盛り込まれていますが、如何にも後手という感じを拭えません。

  さて、本改正の最大の目玉は、クレジット契約のクーリングオフ権、それと不実の告知による
クレジット契約の取消権です。 結局、この権利を行使することで、既払いクレジット代金の
返還を請求出来ることになります。 また、割賦販売法の適用範囲が1回払いのクレジット
契約や指定商品以外の全商品にも拡大されています。
                       
  本改正案は割賦販売法の大変な進化を示すものです。 今後は如何にこの法律を運用
するかに掛かって来ます。 行政指導の強化により、クレジット会社はコンプラスアンス強化
を図ることになります。
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  しかし、悪徳な業者がこれで根絶されることはないでしょう。 また新たに法の抜け穴を
見付けてそこから侵入して来るはずです。
  次々販売を始めとしてクレジット被害の拡大予防は、法改正だけでの問題ではないの
です。 早期発見による早期対処が重要と考えます。

  私は消費者に伝えたい。悪徳な業者と契約したと思ったら、私の事務所に相談して欲しい。 
当事務所には過去4年間の蓄積したノウハウがあります。 判例その他を駆使してクレジット
被害の拡大を阻止して来た実績があります。
  どうか困ったと思ったら、パソコンの前に行ってグーグルやヤフーの検索エンジンに内容
証明郵便とか支払い停止の抗弁とかのキーワードを入力してほしい。
そうすれば、当事務所に辿りついて、早期対応の道がいち早く開けると思うからです。




     □ 探偵業法と戸籍調査

  探偵業法が平成19年6月1日から施行されています。  全ての探偵業者は公安委員会
に届出る必要があり、届出しないで営業すると罰則が適用されます。 興信所や調査業者も
当然届出の対象になります。
 探偵業とは、特定人の所在や行動についての情報を収集することを業とします。
浮気調査とか家出人の調査がまず浮かびます。

  ところで、従来から興信所の家系調査というのがあります。これは結婚相手の素性とか
家柄などを調査するものです。 家系調査に不可欠なのが戸籍謄本等です。  しかし、
本人の直系ならまだしも、結婚相手という他人の戸籍謄本を無断で収集することは戸籍法
上は許されません。 それは憲法第14条の法の下の平等、つまり社会的身分や門地など
で差別されないという人権保護の要請から来ているのです。                        
  しかし、興信所の中には行政書士と提携して収集しているところもあったと聞きます。 
この行政書士は虚偽の理由を記載して請求していたのですから処分されるのは当然です。
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  要するに、家系調査というのは、本人の意思が明白である限り全然問題のないものです。 
問題なのは、その意思がない他人の戸籍謄本を無断で収集することであって、それを放任
すれば結局差別的な使用が無制限になされる恐れがあるからです。
 最近、家系図の作成が盛んです。 家系図は事実証明の文書ですから、行政書士の業務
でもあります。 最近、人権保護と絡めて、行政書士の家系図作成に苦言を呈する者がいます。 
 しかし、一方に営業の自由という人権があります。 ですから、本人から委任状と運転免許
証の写しを貰ってやる限りは、興信所の家系調査とは全く次元の違う話であり批判されるよう
な余地はないと考えます。



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