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                   内容証明郵便でブレイク !   行政書士田中 明事務所

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                <縮こまるな、大いなる志を抱いて道を拓け!>

      
共存共栄で業際問題をなくせ

  市民が一番望むのは利便性でありその為にはワンストップサービスがいいに決まっています
   現状と
とっくに合わなくなっているのにいつまでも改正されず放置されたままになっている法律に弁護士法72条があ
ります。   「弁護士でない者が法律事務の代理行為をしている。非弁だ」などと非難して来ることがあります
が、これは全ての法律事務を事件性の有無に関係なく弁護士の独占業務だという見解(日弁連の見解)に立っ
ているからです。
 しかし、実際には行政書士、司法書士、税理士、土地家屋調査士、弁理士などの隣接法律専門職種の人々
も法律事務の一部を行っており、弁護士が法律事務を独占している訳ではないのです。    ですから、弁護
士法72条の法律事務を事件性がある場合と限定的に解釈するのが通説になっているのです(これを事件性必
要説と云います)。
                         
  ここに、大変重要な最高裁判例があります。
「形式的には、他人の権利を譲り受けて訴訟等の手段によってその権利の実行をすることを業とする行為であ
っても、みだりに訴訟を誘発したり、紛争を助長したりするほか、弁護士法72条本文の禁止を潜脱する行為を
して国民の法律生活上の利益に対し弊害をもたらすことが生じるおそれがなく、社会経済的に正当な業
務の範囲内にあると認められ場合
には、同法73条に違反するものではないと解するのが相当である」 
(平成14年1月22日最高裁第三小法定判決)

  これは弁護士法73条の解釈に関する最高裁の判断ですが、弁護士72条の解釈についても恐らく同様の判断
がなされるものと考えられているのです。    
                                                

  行政書士は戦略的に業務をこなしたいものです。   私が戦略的になどということを言うのは危機感がある
からで、電子申請の拡大に伴って従来の行政書士業務は減るこそすれ増えることはないらしいのです。  
  許認可業務に将来性がないとなれば司法参加という声が出て来るのは当然ですが、行政書士が訴訟代理権
を持つのはまだずっと先の話です。
  しかし、行政書士にも依頼者からのニーズがあります。   弁護士はよく欲の皮がつっぱったような人が依頼
して来ると云いますが、私のところに相談して来る人というのは泣寝入り寸前になって藁をも掴む思いで行動を起
した人ばかりであり、弁護士のところに行ったが相手にされなかったという人もいます。
  そおいう案件つまり弁護士が相手にしない事案にニーズがあるのです。  
                          
  話が反れますが、簡易裁判所を最も利用しているのはサラ金とクレジット会社であるといいます。   馬鹿げ
たことですが、本当に助けられるべき人に利用されていないのです。 
 そうだとすれば、行政書士を頼ってくる人に裁判制度や判例などの情報を提供し丁寧に解説してあげることも
切実なニーズだと云えます。
  その意味では民事法務をやる行政書士なら民事訴訟制度についての知識を持っている必要がありますし、判
例研究も欠かせないものとなります。    判例や裁判所が持つイメージまでもうまく利用して、泣寝入り寸前の人
を内容証明郵便1本で助けられることもあるとすればこんな遣り甲斐のある仕事もありません。
  他士業者との関係は共存共栄の関係で行くべきと考えます。
業者間にネットワークを構築して持ちつ持たれつの関係になれば、ネットワークが金を生む財産になります。   
成功している行政書士なら大抵このような関係を構築していますし、   業際問題なんて雲散霧消してしまう
ような共存共栄の関係の構築こそ行政書士が生残る為の一番の道だと思うのです。
                                        2011.3.8作成、  2016.7.9一部訂正



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