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                 <縮こまるな、大いなる志を抱いて道を拓け!>

     地方の実勢価格と不動産鑑定士

  一般の不動産売買に不動産鑑定士が関係することはまずなく、不動産鑑定士の鑑定評価は裁判所では競売
不動産の売却基準価格の決定に、銀行では抵当不動産の担保価値の査定に、企業では投資物件の妥当性判
断に利用されています。
  また、毎年1月1日の全国の標準的な土地(更地)の地価公示価格(公示地価又は単に時価という)は、不動産
鑑定士の鑑定評価に基づき土地鑑定委員会が決定しています。
  国土交通省の見解では、公示地価とは「一般の土地の取引に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の
取得価格算定の基準となり、また国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の基準とな
る等により、適正な地価の形成に寄与することを目的として、土地鑑定委員会が毎年1回、標準的な土地につい
ての正常な価格を一般の方々にお示しするもの」としています。
                      
  しかし、今の地方の実態はどうでしょうか・・・・。
公示地価を基準にした価格で売ろうとしても買い手が付かないのです。 なぜこんなことになったのでしょうか。
  不動産鑑定士は鑑定評価をする際、地元の不動産仲介業者に聞いたり対象不動産周辺の価格情報を収集
してこの価格情報から難しい分析手法を駆使して鑑定評価を導きますし、公示地価もこのように算定されている
のです。

  ところで、私が平成21年春に三浦市の土地売却に関わり知ったことは実勢価格が公示地価より著しく低いと
いう地方の恐るべき実態でした。
<具体的な事例>
 不動産仲介業者の査定 →坪単価がの31万円(相続税路線価の1.2倍)。   4ヶ月間後に反応が全くないので
 坪単価を21万円引下げる。   この時点で固定資産税評価額より7%も下回ったのです。    
 結局、坪16万円で買うと提示した住宅建設会社に対しこの価格で売却したのです。   坪16万円というのは
 固定資産税評価額より3割も低い価格で、業者の話では銀行がこの価格まで下げないと融資しないというのです。 
 凄まじい貸し渋りです。

  土地の取引価格情報については下記土地総合情報システムで見られます。
   http://www.land.mlit.go.jp/webland/top.html
番地までは表示されていませんが、取引の相場を推し量る上で大変参考になります。  先の三浦の土地も近隣
の実勢価格にほぼ近い金額でした。
                      
  そもそも相続税評価額の1.2倍という当初の査定など三浦市のような田舎では全く通用しなくなっていたのです。    
固定資産税評価額以下での取引が当たり前になっているとすれば今の固定資産税評価額は高すぎるのではない
かという議論が起こってもおかしくない筈です。
                                           2011.3.7



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