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                   内容証明郵便でブレイク !       行政書士田中 明事務所

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                悪徳商法に絶対負けない消費者になる方法


      危ない不動産担保ローン
         
 平成18年12月に成立した改正貸金業法は、4段階に分け3年掛けて施行されています。
いよいよ第4段が平成22年6月18日に施行されこれで完全実施となります。  この第4段では
いよいよ改正貸金業法の最大の柱であるグレーゾーン金利の廃止と総量規制が導入されます。

 尤も、大手の消費者ローン会社は既に自主的にグレーゾーン金利を廃止し利息制限法上限
まで金利を引下げています。 融資の審査も厳しくしており、無収入の専業主婦が申込んでも
断わられるようです。 また、消費者ローンの利用者は年収をを証明する書類の提出を求めら
れています。 消費者ローン会社はもう第4段を前倒で運用し始めているのです。
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 さて、総量規制を具体的に整理しますと
・ 貸金業者 →支払能力調査が義務化
・ 自社の貸付が50万円超の場合、又は他社を含めて総借入残高が100万円超
 場合 →年収等の資料取得が義務化
総借入残高が年収の三分の一を超える場合 → 新規借入の原則禁止
 ※ なお、キャッシング機能付きカード(クレジットカードを含む)で借入れる場合
     →キャッシング枠の合計が年収の三分の一を超えると新規借入が禁止。


 ただし、売却可能な資産や預金がある場合は除かれます。 また、銀行からの融資は、
総量規制から除外されます。
                       
 注意すべきは、
イ 総量規制が信販系のクレジットカードのキュッシング枠にも適用される。
ロ キャッシング枠(借入極度額)は、現残高に関係なくまるまるカウントされる。
ハ 銀行ローンは残高に含まれない。
ニ 売却可能な資産や預金があれば、借りられることがある。  ということです。
                      
    <例>   年収450万円の太郎さんの場合、 
              キャッシング枠       残高
     消費者金融 A社 50万円        30万円
     消費者金融 B社  50万円        25万円
     信販会社  C社  50万円        10万円   
           合計   150万円        105万円  
  
    太郎さんの借入可能上限・・・・・450万円×1/3=150万円

 太郎さんのキャシング枠は、年収の三分の一の150万円に達しています。 
よって、3社以外の消費者金融やクレジット会社からの新規借入は出来ません。

 太郎さんは3社からまだ45万円借りられますが、しかし例えばC社から40万円借りB社
から5万円借りるとキャッシング枠が満杯となり、A社のキャッシング機能は停止されること
になります。
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 改正貸金業法の趣旨は、支払能力を超えた過剰貸付の防止にあります。 ですから、
収入のない専業主婦がモロに影響を受けるのは当然の結果です。
 平成21年12月1日に施行される改正割賦販売法では、30万円以下の限度なら簡単な
審査でクレジットカードが発行出来ます。  しかし、キュッシング機能を付与して貰うには、
配偶者の同意書が必要になります。

 では、夫が亡くなった専業主婦の未亡人はどうすればいいのでしょう。
夫の長い闘病生活で現金を医療費に使い果たしていて、遺族厚生年金の支給までは
3ヶ月が掛かります。  当面の生活費をどこかから調達する必要があります。
                        
 遺産に不動産があればそれを担保に借りられないかと思うと思います。
先に見た通り、売却可能な資産があれば、総量規制から外れます。 ですから、遊休土地
の売却を仲介業者に依頼している場合なら、無収入の専業主婦に融資しても違法になら
ないのです。

 ネットで調べるとそのような専業主婦のつなぎ融資需要に応えてくれる不動産担保ローン
会社が沢山あります。  しかし、不動産担保ローン会社には法律的知識に乏しい専業主婦
を騙して貸し付ける悪徳業者が紛れ込んでいる場合があります。 電話で呼出してファミレス
で契約したりする業者は大体が悪徳です。
 悪徳業者というのは内容のよく分からない念書を取って必要のない地上権を設定したり、
元本返済時の同時抹消の際には聞いてもいない法外な解約料やコンサル料を請求して来
て支払わないと抵当権の同時抹消に応じられないと、まるでヤクザと変わりません。

 どうしても利用したいなら、契約時に行政書士や弁護士などの専門家を立て合わせて
契約内容をチェックして貰いましょう。
 金利の他に当初に事務費用が掛かり、これも馬鹿になりません。 やはり、ベストな選択は
不動産が売れるまで辛抱してじっと待つことのようです。
 



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