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内容証明郵便でブレイク ! 行政書士田中 明事務所
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悪徳商法に絶対負けない消費者になる方法
生命保険の失効に注意せよ!
生命保険は何時でも解約出来ますし、保険料を支払わなければ保険契約は失効して
しまいます。 ただし、直ちに失効してしまうのではなく、解約返戻金の範囲内で自動
貸付がなされて一定の猶予期間が与えられたるのが通常です。
保険約款では猶予期間が過ぎると失効し、失効に予告通知も契約解除の意思表示も
不要とされています(無催告失効約款)。 失効のリスクは自己責任の問題だとの考え
から、判例・学説でもこの無催告失効約款を無効としていませんでした。
では、夫がある日失踪して保険料が支払われなくなった場合でも、失効の予告(通知
相当の期間を定めて保険料の支払いを催告する通知)はやはり必要ないのでしょうか。
<事例>
「夫Aが失踪して2年後に、保険金受取り人の妻Bが保険会社からお立替のお知らせを
受取った。 その後何の連絡もなく心配になりBが保険会社に出向くと、契約は失効して
いると云われた。 1本の電話もなく、失効を予告する通知も来ていない。 こんなことで
失効にするとは余りに理不尽ではないか」
この場合、Bさんが直ぐにも保険料を支払えば失効を回避出来たのです。
しかし、Bさんは保険の知識に乏しく、お立替のお知らせにあったお立替利息期間(猶予
期間)内に保険料を支払う必要があるとは理解せず、1ヶ月位後には失効を予告する
通知が来るものと思っていて支払いはその時でいいと思っていたのです。
本人は失踪して行方も生死も不明なのです。 本人が任意で保険料を支払わない場
合と同じに扱っていいものなのでしょうか・・・・。
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私は、自己責任の問題として片付けられる場合とは同じに扱えないと考えるのです。
そもそも保険契約とは継続的契約であり、遺族の生活を保障する為にあります。 契約の
失効は保険契約者や保険金受取人に重大なリスクを負わせる事態です。
とすれば、保険会社には本人の家族に対しても信義則に基づき失効の回避を喚起する
為の何らかの配慮義務があって然るべきです。
保険会社から電話1本も入れれば、本人が行方不明であることは分ったのです。
「ご主人の生死が分るまで奥さんが保険料をお支払い下さい。 そうすれば保険の失効
を回避出来ます」と電話で伝えればいいのです。
電話をしない場合でも、失効の1ヶ月前位に猶予期間の満了により失効します旨の予告
通知をすべなのです。 これが信義則に基づく配慮義務として最低限必要であると思うの
です。
これからすると上記事例では1枚のお立替のお知らせしか送付しておらず、しかもその記
載は保険の専門用語を多用し、素人が読んで即座に理解出来るような分り易い表現には
なっていませんでした。
これでは配慮義務を十分尽くしたとは云えないのであって、信義則違反により失効無効を
主張出来る余地があると思えます。
ж
保険契約が失効しても3年以内には、復活請求が出来ます。 しかし、この復活請求は
契約者本人がすることになっています。 つまり、上記事例で云えば、本人が生存していて
失効から3年以内に現れない限り不可能なのです。
結局、Aさんの生死は7年間不明のまま、失効宣告が下りました。
Bさんは失効後に保険料を支払おうとして拒否されましたので、失効宣告の確定した日まで
供託を続けています。 復活は契約者本人でないと出来ないのなら、失効の予告について
は尚更配慮しなければならない事情があったのです。
本人が失踪して生存が不明という場合は、本人が生存していて任意に支払わない場合とは
全く事情が違うのであって、信義則として遺族を配慮した失効の予告手続きがあって然るべき
と思いますが如何なものでしょうか。
近時、保険約款の無催告失効条項に消費者契約法第10条を初めて適用し、これを無効と
する画期的な判決がありました。
「無催告失効条項は、民法1条2項に規定する基本原則である信義誠実の原則に反
して消費者の利益を一方的に害するものであり、無効である」
(東京高裁平成21年9月30日判決) →判決全文
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